【小さなお庭OK】真夏の日差しや西日に強くおしゃれな中低木
真夏の日差しや西日に強い中低木

強い日差しが照り付ける夏。日当たりの良いお庭や西日があたるお庭で気になるのが、庭木の葉焼けではないでしょうか。日陰をつくるための、西日に強い中高木が紹介されている記事は多く見かけるものの、中低木が紹介されているものは少ない印象です。
そこで今回は、
●南西向きの小さなお庭でガーデニングを楽しみたい!
●南や西の玄関わきなど、ちょっとしたスペースに植えられる庭木を知りたい!
という方のために、真夏の日差しや西日に強く、おしゃれな中低木をたっぷりご紹介します。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
真夏の日差しや西日に強い「常緑中木」
ブラシノキ(ハナマキ):ユニークな花でパッと目を引くお庭に!

コップを洗うブラシのようなユニークでエキゾチックな花を初夏に咲かせるブラシノキは、生垣やお庭のアクセント、シンボルツリーとしても楽しめて使い勝手抜群!強い日差しをたっぷり浴びて、たくさんの花を咲かせてくれますよ。寒さには弱いので、関東以南の方におすすめです。
病虫害や暑さ、乾燥に強く、放任でも樹形が自然と整うので、とても育てやすい庭木です。成長はやや早いので、大きくなってきたと感じたら、冬に伸びすぎた枝を切り戻してくださいね。
レッドロビン(西洋ベニカナメモチ):鮮やかな赤い新芽がお庭のアクセントに!

鮮やかな赤い新芽が美しい、生垣としておなじみのレッドロビン。強い日差しや西日を遮る、ちょっとした日陰づくりにも使えますよ。
風通しの良い日向に植えると新芽の発色が良く、病虫害を防げます。
成長が早いので、最低でも年1回は刈り込みが必要です。関東以南の暖かい地域では、季節ごとに刈り込みを行うと一年中赤い新芽を楽しむことが出来ますよ。真夏の刈り込みは木が弱ってしまうので避けましょう。
フェイジョア:花も実も楽しめてローメンテ!

初夏にピンク色の花を咲かせるフェイジョア。葉は丸く白みを帯びていてとってもおしゃれ。異なる品種をいくつか並べて植えておくと、晩秋に甘酸っぱい実も楽しめます。強い日差しをたっぷり浴びると、花付きや実付きがいいですよ。小さなシンボルツリーや果樹として楽しむのがおすすめです。
あまり大きくならず、病虫害や乾燥にも強いので、ローメンテ。いいこと尽くしの庭木です。春と秋に固形肥料を与えると花付き・実付きが良くなりますよ。寒さには弱いので、東北以北の方は鉢植えで楽しんでくださいね。
イヌツゲ:好きな形に刈り込んで楽しめる、庭木の定番!

丸みを帯びた小さな葉が特徴のイヌツゲ。新芽が黄色のキンメツゲや、葉っぱがコロンとしてつやのあるマメツゲ(上の写真)、枝が横に広がりにくいスカイペンシルなどの品種があります。小さなスペースに植えるなら、マメツゲやスカイペンシルがおすすめ。好きな形に刈り込んで楽しめますよ。
刈り込みは真夏と真冬を避けて年1~2回行うと形が整いやすいです。葉に蜘蛛の巣のような糸を出し、その中で葉を食害する、ハマキムシ類が発生しやすいです。見つけたら糸を取り除き、ベニカXファインスプレーなどの殺虫剤で対処しましょう。
真夏の日差しや西日に強い「落葉低木」
ムクゲ:ハイビスカス似の元気な花!暑さ寒さに強い。

真夏の花が少ない季節に、ハイビスカスに似た元気な花を次々と咲かせてくれるムクゲ。品種が沢山あり、好みやお庭の雰囲気に合わせて花の色や形を選べるのが嬉しいですね。どんな雰囲気のお庭にも合わせやすく、2~3本植えてお庭のアクセントにしたり、列植して生垣にしたりして楽しめますよ。
暑さ寒さに強く、日差しをたっぷり浴びて元気いっぱい成長し、花をたくさん咲かせてくれます。成長が早いので、毎年冬にお好みの大きさに刈り込んでおきましょう。込み合っている枝があれば間引いておくと、病虫害を予防できます。
フヨウ:ムクゲ似の元気な花!暑さに強く、寒さには弱い。

ムクゲと同じく、真夏に元気な花を咲かせてくれる庭木です。ムクゲによく似ていますが、花の雌しべが上を向いているのがフヨウ、真っ直ぐなのがムクゲです。フヨウも品種がたくさんあります。お好みの花が咲く品種を、お庭のアクセントや生垣として楽しんでくださいね。
フヨウは寒さに弱いので、関東以南の方におすすめです。ムクゲ同様、強い日差しをたっぷり浴びると花付きが良くなります。毎年冬にお好みの大きさに刈り込み、込み合っている枝があれば間引いておきましょう。
セイヨウニンジンボク(チェストツリー):真夏に咲く薄紫色の花が爽やか!

真夏に良い香りのする爽やかな薄紫色の花を咲かせてくれるセイヨウニンジンボク。実を煎じて飲むと、女性に嬉しい効能がたくさんあるハーブティーになりますよ。筆者も庭に植えたい!と思っている庭木の一つです。
強い日差しや西日だけでなく、暑さ寒さ、病虫害、乾燥、すべてに強いローメンテな庭木です。横に広がって大きくなるので、少し広い場所に植えられれば、ほぼ手をかけずに育てられますよ。コンパクトにしておきたい場合でも、1~2年に一度、冬に伸びすぎた枝を切り戻せばOKです。
オオデマリ:大きな手毬のような花が魅力!紅葉も楽しめる!

初夏に大きな手毬のような白い花を咲かせるオオデマリ。丸みを帯びたかわいらしいフォルムの葉は、秋になると赤く色づきます。強い西日で困っているお庭でも、季節を感じられる素敵な空間にしてくれますよ。
オオデマリも横に広がって大きくなるので、コンパクトにしておきたい場合は1~2年に一度、冬に伸びすぎた枝を切り戻してください。枝が込み合っていたら透かし剪定もしておくと風通しが良くなり、病虫害を予防できます。
花の後に固形肥料を撒くと、翌年の花付きが良くなりますよ。
真夏の日差しや西日に強い「常緑低木」
常緑のツツジ類:初夏の花の定番。たくさんの品種から選べるのが嬉しい!

道路沿いや公園などでよく見かける常緑のツツジは、真夏の日差しや西日にも強く、太陽が大好き。
品種がたくさんあるので、お気に入りを探してみてくださいね。筆者のおすすめはサツキツツジ(上の写真)。葉や花が小ぶりで成長がゆっくりなので、コンパクトな樹形を保ちやすいですよ。
暑さ寒さ、大気汚染にも強く、育てやすい庭木です。毎年花が終わった後すぐに刈り込みを行うと、お好みのサイズを保ちやすく、花付きも良くなります。
蕾を食べるベニモンアオリンガや葉を白いまだら模様にするツツジグンバイが発生することがあります。どちらもGFオルトラン液剤で早めに対処しましょう。
ヒメシャリンバイ:かわいらしいピンクの花。小ぶりな樹形で育てやすい!

初夏に小さくてかわいらしいピンク色の花を咲かせるヒメシャリンバイ。通常のシャリンバイよりも小さく、成長もゆっくりで育てやすい庭木です。玄関アプローチや低い生垣として楽しめます。ちょっとしたスペースに1本植えるだけでも、すてきなアクセントになってくれますよ。
乾燥や潮風、大気汚染にも強く、成長もゆっくりでローメンテな庭木ですが、欠点は時々カイガラムシやアブラムシが付くこと。見つけたら早めにベニカXファインスプレーなどで対処しましょう。
コニファー類:ゴールド系・グリーン系がおすすめ!

洋風のお庭の定番、コニファー類も強い日差しや西日に強い庭木です。特にゴールド系は日向で発色が良くなりますし、グリーン系も鮮やかな葉色を楽しめます。筆者の経験上、ブルー・シルバー系は強い日差しや乾燥にやや弱い印象があります。
多くの品種があるコニファーですが、低木ならグロボーサオーレア(ゴールド系)やティニティム(グリーン系)、中木ならゴールドコーン(ゴールド系)やレッドスター(グリーン系)が比較的ローメンテで育てやすいです。
コニファー類は根が浅いため、極度の乾燥や強風での倒木に注意が必要です。支柱を立て、日照りが続いたらたっぷり水やりしてあげましょう。蒸れには弱いので、風通しの良い場所に植えてあげてくださいね。
アベリア:花期が長く、丈夫で育てやすい!

晩春~秋までのとても長い期間、小さなラッパ型の花を咲かせて楽しませてくれるアベリア。品種によって、白花やピンクの花、斑入りの葉などが選べます。筆者のおすすめは斑入り葉の“コンフェッティ”や“ホープレイズ”。あまり大きくならず、花の無い時期でも葉がお庭に彩りを添えてくれますよ。
暑さ寒さ、病虫害、大気汚染にも強く、丈夫で育てやすい庭木です。横に伸び伸びと広がるので、年1回は形を整える刈り込みが必要です。刈り込みは真夏と真冬以外はいつでもOK。花期に刈り込んでも、またすぐに花が咲きますよ。
寒冷地では冬に落葉することもありますが、春にはまた新芽が出てきます。
さいごに

いかがでしたか?太陽が大好きで日向で元気に成長する、真夏の日差しや西日に強い中低木の中から、比較的育てやすくておしゃれな庭木を集めてみました。真夏の日差しや西日に強い中低木は今回ご紹介した以外にもまだまだあります。見分けるポイントは、「夏に花が咲く」「潮風に強い」「常緑樹」。
今回の記事を参考に、日当たりの良いお庭でのガーデニングを楽しんでくださいね。
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。