梅雨~夏に爽やかな花が咲く!初心者でも育てやすい庭木|おすすめの低木~中高木5選
爽やかな花で夏を乗り切りましょう!

気温が上がってきて、梅雨に入った地域も多いですね。じめじめした梅雨が過ぎると、暑い夏本番。そんな時期、せめてお庭や玄関周りに爽やかな花が咲いていたらな、と思いつつも、暑い季節に外に出てお花を植えるのは気が重い…そんな風に思っている方はいらっしゃいませんか?
そこで今回は、植えっぱなしで毎年梅雨~夏に爽やかな花を咲かせてくれる庭木をご紹介します。庭木なら花壇のお花のように植替えの手間もなく、一度植えておけば毎年お花を楽しめますよ。育て方も簡単にご紹介しますので、庭木を選ぶ際の参考にしてくださいね。
お庭の爽やかなお花を眺めながら、暑い夏を乗り切りましょう!
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
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目次
夏に爽やかな花が咲く庭木 おすすめ①シモツケ(スピレア)【落葉低木】
シモツケの特徴:まとまって咲く小さな花が魅力的。品種が豊富。

初夏~梅雨の時期、枝先に小さなかわいい花をまとめて咲かせるシモツケ。明るい緑色の小ぶりな葉も爽やかです。春の芽吹きや秋の紅葉も美しく、季節の変化を楽しめますよ。品種によって様々な花色や葉色があるので、お気に入りを探してくださいね。
最終樹高は50cm~1m程度なので、小さなお庭や鉢植えでも手軽に楽しむことが出来ます。お庭のアクセント、シンボルツリーの足元の引き立て役、列植してお庭の仕切りに…など、様々な楽しみ方が出来る種類です。
花を楽しむための育て方:強くて育てやすい。咲きがらを切ると花期が伸びる。
暑さ寒さに強く、温暖な地域でも雪国でも育てやすい種類です。風通しが悪いと病虫害が発生しやすいので、風通しと日当たりの良い場所に植えてあげましょう。成長はあまり早くありませんが、大きくなりすぎたときや枝が込み合ってきたときは落葉後に剪定してください。花期には咲き終わった花を放置せずに切り取りましょう。そうすると、どんどん新しい花を咲かせてくれるので、長い期間花を楽しめますよ。
夏に爽やかな花が咲く庭木 おすすめ②ムクゲ【落葉低木】
ムクゲの特徴:ハイビスカス似の元気な花。品種が豊富。

真夏にハイビスカスに似た爽やかな花を次々と咲かせてくれて、夏バテしそうな人々に元気を与えてくれるムクゲ。花が昼間開いて夜閉じるのも面白いですよ。中国原産ですが、日本でも古くから愛されてきた庭木です。品種が多く、様々な花色や花形があるので、お庭の雰囲気に合わせて選べるのも魅力ですね。
最終樹高は2mくらい。刈り込みに強いので、生垣として楽しむこともできますよ。もちろん、お庭のアクセントにもおすすめです。
花を楽しむための育て方:丈夫で育てやすい。害虫が付きやすいのが欠点。
暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすい種類です。日当たりの良い場所に植えると花付きが良くなりますよ。
放っておくと大きく成長するので、年に1回程度、落葉後にお好みの大きさまで剪定や刈り込みをしてください。枝が込み合っていたら透かすように剪定をすると病気が発生しにくくなります。枝のどこで切っても大丈夫なので、気楽に切ってくださいね。
欠点はアブラムシやガの幼虫などが付きやすいこと。害虫を見つけたらすぐに市販の殺虫殺菌剤(ベニカXファインスプレー等)で対処してください。
夏に爽やかな花が咲く庭木 おすすめ③フヨウ【落葉低木】
フヨウの特徴:ムクゲ似の元気な花。真夏から秋まで楽しめる。

真夏から秋にかけて、ハイビスカスやムクゲに似た元気な花を咲かせてくれるフヨウ。ムクゲによく似ていますが、花を見比べてみると雌しべが上を向いているのがフヨウ、真っ直ぐなのがムクゲです。また、フヨウは花が1日でしぼんでしまい、毎日次々と新しい花を咲かせます。花の咲き始める時期がムクゲより少し遅いのも違いの一つです。フヨウにも品種がいくつかあり、花色や一重咲き、八重咲が選べますよ。
最終樹高は2~3mほど。生垣やお庭のアクセントにおすすめです。
花を楽しむための育て方:暖かい地域では育てやすい。害虫が付きやすいのが欠点。
丈夫で育てやすいですが寒さに弱いので、寒い地域では鉢植えにして冬は屋内で管理するのがおすすめです。日当たりの良い場所に植えると花付きが良いですよ。
生育旺盛なので、年に1回落葉後にお好みの大きさよりも少し小さめに切り戻します。枝が込み合っていたら透かすように剪定して風通しを良くすると、病気の予防になりますよ。ムクゲ同様、枝のどこで切っても大丈夫なので気楽に切ってくださいね。
フヨウもムクゲ同様に害虫が付きやすい種類で、対処法もムクゲと同じです。早めに対処するためにも、こまめに木全体を観察しておくと良いですよ。
夏に爽やかな花が咲く庭木 おすすめ④セイヨウニンジンボク【落葉中木】
セイヨウニンジンボクの特徴:涼し気な花と個性的な葉。

梅雨~夏の終わりまで、涼し気な薄紫色の小さい花を枝先にまとめて咲かせます。しなやかに風に揺れる枝がとっても爽やか。手のひらを広げたような形の葉も個性的で、お庭のシンボルツリーにぴったりの種類です。
最終樹高は2~7mほどになりますが、お好みの大きさで管理することができます。横にも広がりやすいので、少し広めの場所があるとのびのび育てることができて、セイヨウニンジンボクの魅力を目いっぱい楽しめますよ。
花を楽しむための育て方:とにかく丈夫でローメンテ。太陽が大好き!
暑さ寒さにも潮風にも強く、病虫害も発生しにくい、とにかく丈夫で育てやすい庭木です。大きくなる種類ではありますが、成長はそれほど早くなく、剪定しなくても自然と樹形が整います。大きくなってきたと感じたら、長く伸びている枝を落葉後に切り戻してお好みの大きさに整えてください。強剪定は木が弱ってしまうので、最小限の剪定にしてくださいね。太陽が好きな庭木なので、日当たりの良い場所に植えてあげるのがおすすめです。
夏に爽やかな花が咲く庭木 おすすめ⑤サルスベリ【落葉中高木】
サルスベリの特徴:夏らしい花火のような花とツルツルの幹。

名前の通り、サルも滑りそうなツルツルの幹が特徴のサルスベリ。花びらはひらひらとしたフリルのようで、枝先にまとまって咲く様子は花火みたいです。そんな夏にぴったりの花を夏の初めから終わりまで長い期間咲かせてくれるので、漢字で百日紅と書きます。品種がたくさんあり、花色や葉色が選べるのも嬉しいポイント。ぜひお庭の雰囲気に合うお気に入りを見つけて、シンボルツリーにしてくださいね。
最終樹高は3~5mほどになりますが、お好みの大きさで管理することができます。また、最終樹高2m弱の矮性品種もあるので、小さなお庭に植えたい方や、管理の手間を少なくしたい方にはこちらがおすすめです。
花を楽しむための育て方:植える場所を選ばないけれど、害虫に注意。
暑さ寒さにも潮風にも強い種類ですが、寒い地域よりは暖かい地域の方が元気に育ちます。成長はそれほど早くありませんが、理想の大きさまで育ったら毎年落葉後にその年伸びた枝をすべて切るように剪定すると、翌年の花付きが良くなりますよ。
アブラムシやカイガラムシが付きやすく、これらの虫が病気を誘発するので、新芽が出るころからこまめに木全体を観察しましょう。アブラムシを見つけたらすぐに市販の殺虫殺菌剤で対処してください。カイガラムシを見つけたら箸などで取り除き、翌年の新芽が出るころに市販の殺虫殺菌剤を樹木全体に散布します。殺虫殺菌剤はベニカXファインスプレーなどが使いやすいです。日当たりが良く風通しの良い場所に植えると病気が発生しにくくなりますよ。
夏の水やり

夏はとにかく乾燥しがち。鉢植えや、地植えして1か月以内の庭木は朝夕2回暑さが和らぐ時間にたっぷりとお水をあげましょう。1か月以上地植えしている庭木は基本的に水やり不要ですが、地面がひび割れるほど乾燥している時にはたっぷりお水をあげてくださいね。
水やりの時間が取れない、面倒だ!という方は、庭木の根元をバークチップや寒冷紗で覆うと乾燥を防ぐことができて、水やりの負担が減りますよ。
花を楽しむための肥料の使い方

今回ご紹介した庭木は肥料を与えなくても育つものばかりですが、花の数が少なくなってきたと感じたら肥料を与えてみましょう。夏に花を咲かせる庭木に肥料を与えるタイミングは、新芽が伸び始める春がおすすめ。「今年もきれいな花を咲かせてね」という気持ちを込めて、固形肥料をあげましょう。夏に肥料を与えると庭木が弱る原因になるので避けてくださいね。
また、花を咲かせるのに必要な栄養素はリン酸(P)なので、この比率が高いものを選びます。肥料の袋に記載されている適切な量や撒き方を必ず守って使ってください。
さいごに
お庭で育ててみたい庭木は見つかりましたか?涼しい時間や涼しい季節にお手入れをして、暑い時は花を眺めるだけでいい中低木。花が少なくなってきて、人も植物もバテがちな夏ですが、そんな季節に爽やかな花を咲かせてくれる庭木を取り入れて、夏のお庭も楽しみましょう。
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。