【9選】お庭で育てやすいおすすめコニファー~高木・中木編~
おすすめの高木・中木コニファー

こんにちは。樹木医で千葉県臨海地域での植栽管理経験をもつライターのminikiroです。
今回ご紹介するのは洋風ガーデンの定番人気、コニファー。コニファーは英語では常緑針葉樹全般を指しますが、日本では、ヨーロッパ原産の園芸品種の事を指すのが一般的です。
コニファーには沢山の種類があり、葉の色や形がそれぞれとても個性的です。葉の色は大きく3つに分けることができ、きれいな緑色の「グリーン系」、新芽が鮮やかな黄色の「ゴールド系」、白みを帯びた青緑色がおしゃれな「ブルー・シルバー系」があります。葉の形は、マツに似たもの、スギに似たもの、ヒノキに似たものなどがあります。
また、樹高が高くなり円錐形の樹形に育つ「高木・中木」、あまり大きくならずに円錐形や丸い樹形に育つ「低木・杯型」、地面を這うように成長し樹高が高くならない「這性」という種類もあります。
種類が沢山あるので選ぶのが大変ですが、楽しみながらお気に入りの品種に出会えるといいですね。
目次
高木コニファーと中木コニファーの違い
今回は、コニファーの中でも種類が多く人気が高い、「高木・中木」をご紹介していきます。
クリスマスツリーのように円錐形に育つコニファーには、大きくなる高木と、そこまで大きくならない中木があります。高木は放っておくと樹高10m以上にもなる品種もあるので、お庭で育てるには大きくなりすぎないようなお手入れが必要になります。あまり手間をかけずに育てたいという方は、中木を選ぶと良いですよ。
これからご紹介するコニファーは、比較的手がかからず育てやすい中木と、初心者でも剪定や刈り込みがしやすくチャレンジしやすい高木です。お庭のコニファー選びの参考にしてくださいね。
お庭で育てやすいおすすめコニファー9選
ヨーロッパゴールド(ゴールド系 中木 最終樹高:3m程度)

春~夏の主張しすぎない黄色の葉が爽やかで、冬にはオレンジに近い黄色に変わります。一年を通してきれいな葉色を楽しめますよ。ニオイヒバの栽培品種なので、ヒノキに似た鱗状の葉から香る柑橘系の良い香りも楽しめます。
成長が遅いので管理しやすく、2年に1度くらい形を整えるように刈り込んでおけば大きくなりすぎるのを防げます。日陰では緑色の葉になってしまうので、日当たりの良い場所に植えてあげてくださいね。
ゴールドコーン(ゴールド系 中木 最終樹高:2m程度)

小さな葉とスリムな樹形が特徴的。春~夏は鮮やかな黄色の新芽を楽しむことができます。冬には赤みを帯びた葉色になり、季節ごとの葉色の変化を楽しめますよ。
成長が遅いので、管理の手間はほとんどありません。大きくなってきたと感じたら、芯を止めて形を整えてくださいね。日陰では葉がまばらになり、ゴールドの発色も悪くなるので、日当たりの良い場所に植えてあげてください。
スカイロケット(ブルーシルバー系 中木 最終樹高:4m程度)※

名前の通り、空に向かって細く真っ直ぐ伸びる樹形が特徴的な品種です。横にはあまり広がらないので、狭い場所でも育てやすいですよ。葉色は春~秋は上品な青緑色、冬にはシルバーになり、季節ごとの葉色の変化を楽しめます。
成長はそれほど早くなく、放任でもきれいな樹形に育ってくれますが、大きくなってきたと感じたら芯を止めて、お好みのサイズに刈り込んでくださいね。
ムーングロー(ブルーシルバー系 中木 最終樹高:3m程度)※

スカイロケットと同じく、春~秋は上品な青緑色、冬にはシルバーの葉色で季節ごとの葉色の変化を楽しめます。葉の色や形はスカイロケットに似ていますが、こちらの方が横に広がる樹形です。
成長が遅いので、管理の手間はほとんどありません。大きくなってきたと感じたら、芯を止めて形を整えてくださいね。
コニカ(グリーン系 中木 最終樹高:3m程度)

マツ科のカナダトウヒの栽培品種で、とても短いマツの葉が密生した、小さなクリスマスツリーのような見た目がかわいらしい品種です。冬には少し黄色みを帯びた葉色になりますが、一年を通してそれほど変わらない緑の葉を楽しめます。
成長はとても遅く、放任でもきれいにまとまるので、お手入れはほぼ必要ありません。剪定に弱いので、大きくなってきたと感じた時にも最低限の剪定にしてくださいね。
レッドスター(パープルフェザー)(グリーン系 中木 最終樹高:2m程度)

葉の先端が星形に見え、冬には赤紫の葉色になるのが名前の由来です。夏場の葉色は爽やかな緑色で、年間を通してきれいな葉色を楽しめますよ。細かい三角形の葉が密生し、かわいらしいく個性的な品種です。
成長が遅いので、お手入れはほぼ必要ありません。大きくなってきたと感じた時や、樹形が乱れてきたと感じた時には形を整えてあげてくださいね。
ブルーエンジェル(ブルーシルバー系 高木 最終樹高:5m程度)※

白みがかった青緑の葉色がおしゃれな品種。冬には赤みを帯びた葉色に変化して葉の表面の白さが際立ち、雪が付いたようにきれいです。高木コニファーの中でも比較的スリムな樹形なので、狭い場所にも植えやすいですよ。
最終樹高は5mほどですが、成長はそれほど早くありません。放任でも整った樹形になりますが、お好みの高さまで育ったら芯を止めて、年1回程度形を整えるように刈り込んでおくと大きくなりすぎるのを防げます。
エレガンテシマ(グリーン系 高木 最終樹高:5m程度)

爽やかな緑色と整った樹形で、ヒノキに似た鱗状の葉がひらひらと風に揺れる、まさにエレガントな雰囲気の品種。冬には赤みを帯びた葉色に変わり、季節ごとの葉色の変化を楽しめますよ。
最終樹高は5mほどで、成長が少し早いですが、強めに剪定をしても大丈夫な強くて育てやすいコニファーです。放任でも整った樹形になりますが、お好みの高さまで育ったら芯を止めて、年1回程度好みの大きさに刈り込んでおくと大きくなりすぎるのを防げます。
ブルーアイス(ブルーシルバー系 高木 最終樹高:8m程度)

白みがかった新芽は雪が付いたように美しく、一年を通して白銀色の葉色を楽しめます。雪の結晶のような葉の形も特徴的で、葉をクリスマスのリースに使ったり、ブーケにして飾ったりしてもおしゃれですよ。
最終樹高は8mほどと大きく、成長も早いので、大きくなりすぎないようなお手入れが必要になりますが、強めに剪定をしても大丈夫な強くて育てやすいコニファーです。お好みの高さまで育ったら芯を止めて、年1~2回好みの大きさに刈り込んでおくと大きくなりすぎるのを防げます。
※
スカイロケット、ムーングロウ、ブルーエンジェルはビャクシン属のコニファーです。ビャクシン属は梨の病気の媒介に関与するとされていて、梨栽培をしている地域では栽培を禁止されていることがあります。植える前に地域のHP等をチェックしてくださいね。
今回ご紹介したコニファー以外にも、別記事「洋風に似合うローメンテナンスな生垣10選」でゴールドライダー、エメラルド、グリーンコーンの3種の高木コニファーをご紹介しています。どれも大きく育つ品種ですが、比較的お手入れが簡単なのでチャレンジしやすいですよ。生垣だけでなくシンボルツリーとしても楽しめるので、興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
高木・中木コニファーの特徴とお手入れのコツ
お庭で育ててみたいコニファーは見つかりましたか?ここからは、高木・中木コニファーの特徴とお手入れのコツを簡単にお話ししていきます。
病虫害に強い
コニファーの一番魅力的な特徴は、病虫害に強いこと。ただし、日陰やじめじめした場所は苦手なので、このような場所では病気になりやすくなってしまいます。風通しの良い日向に植えてあげると、病虫害に悩まされることはほとんどありません。
暑さ寒さに強い
コニファーは暑さ寒さに強く、日本の気候に良く合っている品種が多いです。東北以南であればほとんどの品種が育ちますが、雪が降る地域では雪の重みで枝が折れてしまうので、冬の間は枝を縛ったり雪囲いをしたりしてあげると良いですよ。
根が浅い
根が浅いのはコニファーのちょっと困った特徴です。大きく育っても根が深くまで張らないので、強い風が吹くと倒れやすいです。園芸ポールなどで支柱をしてあげると安心ですよ。
おすすめ剪定時期
コニファーを刈り込むと、切り口が茶色になって目立ってしまうことがあります。そのため、新芽が出る直前から新芽が育つ時期(3~5月頃)に刈り込みを行うと、伸びてきた新芽が切り口を隠してくれるので、あまり目立たなくなりますよ。真夏の剪定は切り口が目立つだけでなく、コニファーが弱って枯れる原因になるので避けてくださいね。
まとめ
シンボルツリーや目隠しとしても楽しめて、冬にはクリスマスツリーやイルミネーションも楽しめるコニファー。お庭にあると、生活がぐっと楽しくなりますよ。ぜひ、沢山の種類の中からお気に入りを探して、大切に育ててみてくださいね。
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。