【雪国でも大活躍!】寒冷地の目隠しや生垣におすすめの常緑樹
寒冷地でも常緑樹で目隠ししたい!

寒冷地にお住まいの皆さま、こんにちは。雪国在住のライターminikiroです。
雪の多かった今シーズン…
●やっと雪が解けたら家の前が開けて見えて、何か目隠しになる木を植えたくなった!
●大雪で生垣の枝が折れてしまって植え替えたい!
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、寒冷地でも育てられる常緑樹は種類が少ないのが悩みどころ。
そこで今回は、寒冷地でも元気に育って目隠しや生垣になる庭木を、筆者目線のランキング形式でご紹介します。
これから寒冷地にお引っ越しされる方も、ぜひ参考になさってくださいね。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
寒冷地の目隠しにおすすめの常緑樹 No.1「マサキ」
マサキのおすすめポイント:寒冷地で貴重な常緑広葉樹!一年中葉がきれい。

寒冷地では貴重な常緑広葉樹であるマサキ。その魅力はなんといっても葉がきれいなところ!明るい緑色で丸みを帯びたつやつやの葉はどんな雰囲気のお庭にもよく合い、冬でもほとんど色が変わりません。
ノーマルな緑色の葉の他、上の画像のように葉に斑(ふ)が入った品種や、下の画像のように新芽が黄色い品種もあります。
お庭を明るい雰囲気にしたい方、寒冷地っぽくないお庭を造りたい方に特におすすめの常緑樹です。斑入りのマサキを使って生垣を造れば、一年中カラフルなお庭になりますよ。
目隠しに最適な育て方:毎年の刈り込みで葉が密生。カイガラムシに注意!

日陰では病虫害が出やすいので、日当たりと風通しの良い場所が適しています。
毎年秋に刈り込みを行うと、葉が密生したきれいな目隠しになりますよ。あまり大きくしたくない場合は、梅雨時と秋の2回刈り込むと大きさを保ちやすいです。
マサキの欠点はカイガラムシが付きやすいこと。見つけたら早めに歯ブラシ等で取って処分しましょう。頻繁にカイガラムシが付くようなら、マシン油乳剤などの、カイガラムシに効果のある殺虫剤を使用して対応しましょう。
寒冷地の目隠しにおすすめの常緑樹 No.2「コニファー類」
コニファー類のおすすめポイント:種類が豊富!日本の寒冷地の気候は育てやすい。

洋風ガーデンで大人気のコニファーの原産地は、ヨーロッパを中心とした比較的寒い地域です。日本の夏の高温多湿や冬の乾燥が苦手なコニファーですが、寒冷地(特に日本海側)では原産地の気候にやや近くなるため、育てやすくなります。「寒冷地だからこそ楽しめる常緑樹」と言っても過言ではありませんよ。
葉が密生する品種が多いので、目隠しに最適です。目隠ししたい範囲に合わせて、生垣にしたり単木で楽しんだり、いくつかの品種を組み合わせたり…楽しみ方無限大です!
使いやすく育てやすい、筆者の一押しコニファー
コニファーには沢山の個性的な品種があるので、お庭の雰囲気や好みに合わせて選べるのも嬉しいポイント。ここでは筆者が庭に植えてみたいコニファーを3種ご紹介します。どれも丈夫で葉が密生しやすく、葉色や樹形が美しい品種です。目隠しコニファー選びの参考にしてくださいね。

・ヨーロッパゴールド
春~夏の黄色の葉が爽やかで、冬にはオレンジに近い黄色に変わります。葉からは柑橘系の香りが楽しめますよ。

・ムーングロー
春~秋は上品な青緑色、冬にはシルバーの葉色が楽しめます。
ビャクシン属のため、梨を栽培している地域では植えてよいかどうか確認してくださいね。

・エレガンテシマ
爽やかな緑色と整った樹形で、ヒノキに似た鱗状の葉がひらひらと風に揺れる、まさにエレガントな雰囲気の品種。冬には赤みを帯びた葉色に変わります。
目隠しに最適な育て方:根が浅いので、支柱を立て、乾燥に注意。
日当たりと風通しの良い場所に植えてあげると病虫害を防ぐことができ、枝葉が密生した目隠しになります。お好みの大きさまで育ったら、毎年春先に前年伸びた分を切るように刈り込むとお好みのサイズと葉の密度を保てますよ。
根が浅いので、風の強い地域や雪の多い地域では支柱をしておくと安心です。乾燥に弱いので、日照りが続いた時にはたっぷりとお水をあげてくださいね。
病虫害に強く、特別なお手入れをしなくても元気に育ってくれるので忙しい方や初心者の方でも安心して植えられます。
寒冷地の目隠しにおすすめの常緑樹 No.3「イヌツゲ」
イヌツゲのおすすめポイント:目隠しの定番。楽しみ方色々!

常緑樹らしい濃い緑色の小さな葉が密生するイヌツゲは、昔から目隠しの定番。管理の仕方次第で、大きく成長させることも、樹高が低いままキープすることもできます。生垣にしたり、好きな形に刈り込んで仕立物にしたり、色々な楽しみ方ができる種類ですよ。
イヌツゲは和風のイメージが強いかもしれませんが、洋風のお庭にも合わせられます。円錐や三角錐の形に刈り込んだり、新芽が黄色いキンメツゲを使ったりするとおしゃれです。トピアリーに挑戦してみるのも楽しいですよ。

横に広がりにくいスカイペンシルという品種はすらっとした樹形で、イヌツゲというよりもコニファーに近い雰囲気。写真の木は苗木なのでまだ頼りない雰囲気ですが、数年でスタイリッシュな目隠しに成長します。
筆者のおすすめは、このスカイペンシルを隣家に近い窓や玄関横などのちょっとしたスペースに植えること。圧迫感の少ないおしゃれな目隠しになりますよ。
目隠しに最適な育て方:毎年の刈り込みで葉の密度アップ!

毎年秋に刈り込みを行うと、葉が密生したきれいな生垣ができます。あまり大きくしたくない場合は、梅雨時と秋の2回刈り込むと大きさを保ちやすいです。日向より葉の密度は少し落ちますが、半日陰の目隠しにも使えますよ。
葉に蜘蛛の巣のような糸が付いていたら、中には葉を食害する虫がいます。見つけたら早めに、ベニカAスプレーなどの殺虫剤で駆除しましょう。
寒冷地の目隠しにおすすめの常緑樹 No.4「イチイ(別名:オンコ、アララギ)」
イチイのおすすめポイント:色々な楽しみ方ができる。秋の赤い実がかわいい!

針葉樹らしいピンとした葉と秋のころんとした赤い実が魅力のイチイ。
日陰が得意な種類なので、敷地の境界や家の北側の目隠しなどにも使えます。生垣にするとスタイリッシュな雰囲気に、広い場所があれば自然樹形も楽しめますよ。円錐形に刈り込んで仕立物にしておくと、実がなったときにクリスマスツリーのようになるのでおすすめです。
枝葉や種には毒があるので、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、植える場所や管理に注意してくださいね。
目隠しに最適な育て方:ローメンテで育てやすい。お手入れの後は手洗いを。

強い日差しは苦手なので、西日の当たらない場所に植えてください。
成長が遅いので、剪定や刈り込みはそれほど必要ありません。生垣や仕立物にする場合は毎年晩秋に刈り込んでおくと形が整い、葉も密生しますよ。前述したように枝葉や種に毒があるので、お手入れの際は手袋をして、終わった後は手洗いすると安心です。
暑さ寒さにも病虫害にも強く、手がかからず育てやすい種類です。
【番外編】寒冷地の目隠しにおすすめ(落葉樹) 「ドウダンツツジ」
ドウダンツツジのおすすめポイント:季節ごとの変化が楽しい。寒冷地の紅葉は格別!

落葉樹ながら寒冷地の目隠しに欠かせない存在のドウダンツツジ。春の新緑とスズランのような白く可憐な花、夏の爽やかで明るい緑色の葉、秋には朱色の紅葉、冬には赤みをおびた枝に雪が付いて美しい。特に紅葉は、寒冷地の特権とも言えるほど鮮やかです。
大きくなる庭木ですが、成長がゆっくりなので低い生垣に向いています。圧迫感の無い生垣を造りたい方や、庭の位置が高くて大きな生垣は必要ないという方におすすめの庭木です。
オレンジ色の花を咲かせるサラサドウダンという品種もあります。白花に比べて花が一回り大きく、見ごたえがありますよ。
落葉樹の生垣のメリットは雪囲いの必要があまりないこと。冬は雪で視界が悪くなるので、常緑樹の生垣でなくてもいいし、雪囲いが面倒!という雪国の方には特におすすめです。
ちなみに筆者の家の生垣は、白花のドウダンツツジです。四季を感じられてローメンテ、花も葉もかわいいのでお気に入りの生垣です。
目隠しに最適な育て方:基本ローメンテ。毎年の刈り込みと肥料でさらに美しく。

日当たりの良い場所で良く育ち、枝葉も良く茂ります。
毎年花が終わった直後に刈り込みを行うと葉が密になってきれいな生垣になりますし、お好みのサイズを保てます。
暑さ寒さにも病虫害にも強く、手がかからず育てやすい種類です。
花が終わった後、根元に化成肥料を撒いておくと翌年の花付きが良くなりますよ。
さいごに

寒冷地でも目隠しに使える常緑樹、植えてみたいものは見つかりましたか?コニファーやドウダンツツジなど、寒冷地だからこそ楽しみやすい、美しい!という種類もありましたね。
また、寒冷地は暖地と比較して庭木の成長がゆっくりなので、剪定や刈り込みの頻度が減りますし、夏場の乾燥や蒸れをあまり心配しなくてよいというメリットもありますよ。
この記事を参考に、お気に入りの目隠しを植えて、快適なお庭を造りましょう。
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。