スギナをお庭から駆除できる対策とは?
スギナの特徴を知ってストレスのない対策を!
スギナの特徴を知る事が景観性の良いお庭への近道です

綺麗に管理したお庭に、ニョキニョキ生えてくるスギナ。
早めの対策で地上部を抜いてスッキリしたと思いきや、気が付いたら同じ場所からスギナが生えていたという事がありませんか。
数が少なければ良いのですが、圧倒的な数になると絶望感さえ漂いますよね。
しかし、スギナの特徴を知る事で、一喜一憂することなくストレスのない駆除対策が行えるのです。
スギナの繁殖で困っていらっしゃる方には、これからご紹介する対策をぜひ試して頂きたいと思います。
この記事は、お忙しい方のために
目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか
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目次
スギナの生態
基本情報

科名属性:トクサ科 トクサ属 多年草
生育可能地域:北海道~沖縄
日照条件:日向~半日陰
生育期:3~9月
特徴:暑さ寒さに強い、土壌を問わない、冬は地上部が枯れるが地下部は枯れていない
胞子茎(ツクシ)とスギナ

スギナの胞子茎とは、早春に芽を出す、いわゆるツクシの事です。
柔らかな円柱状の茎で、丈は10~15cm程度になります。

幼少期に、ツクシの佃煮を田舎料理として食べた記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、ツクシの役割は食用としてではなく、胞子茎としての繁殖の役割を大きく担っています。
胞子は、軽く触れたり風が吹いただけで遠くまで放出されて、新しい命を育んでいきます。
同時に、胞子の放出が終わったツクシは役割を終え枯れてしまいます。

一方、私達がスギナと呼んでいる、節で輪生状に多数分岐した緑色の茎の部分は、ツクシが役割を終える頃に芽を出し30~40cmの草丈になります。
スギナは栄養茎と言われ、春から秋にかけて養分の調達をする重要な役割を担っています。
その養分の調達に欠かせない光合成が行えるかどうかが、大きな鍵となっているのです。
地下茎で増えるスギナ

栄養調達の役割を担っているスギナは、その栄養を地下茎に貯えています。
地下には、根茎と塊茎といわれる地下茎がありますが、光合成によって作られた栄養を貪欲にどんどん貯め込み、地下で増殖を繰り返していくのです。

根茎とは地中に伸びている茎で、縦横無尽に伸びる生命力と、切断ごときにもビクともしない増殖力を持ちます。
その切断面からも、あっという間に萌芽してしまう力を持つのが特徴です。

塊茎は、根茎の所々に出来るこぶ状の塊になり、養分の貯蔵庫になっています。
ジャガイモなどが塊茎の代表選手ですよね。
塊茎は栄養が豊富であるが故に、塊茎から根茎が伸びて萌芽する事もあります。

地上部を抜いても抜いても次々に発生するのは、地下茎に張り巡らされた地下茎がどんどん繁殖しているからなのです。
私達が地上で目にするスギナは、氷山の一角という事になります。
スギナとの戦いは、地上部だけではなく地下茎までをいかに抑え込むかという事にかかっているという認識の元に、しっかりとした対策が必要になってくるのです。
競争には弱い一匹狼タイプ

スギナは、他の雑草が生えていない場所で生き生きと生えている事が多いです。
他の雑草達の中でスギナが勢い良く生き生きと生えている事は、あまり見かけないのではないでしょうか。
スギナは繁殖力が旺盛でありながら、意外な事に、背丈がある雑草などと並ぶと負けてしまうからです。
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全く生えない訳ではないですが、光合成がうまく出来ないので、背丈がある雑草の中では弱々しく存在しています。
注意深く見ると、田んぼ脇でスギナが点在していたりしますが、存在感抜群のイネ科のノビエの中では目立ちません。
ノビエが背丈がやや低い分、何とか光合成を行いながら存在しています。
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背丈がある雑草が生い茂る場所などで観察してみると、かきわけたり注視して探さないと分からない位に、スギナは目立つ事もありません。
スギナは、養分調達という役割である光合成を行うために、競争しあう環境を避けて、1人で生き生きと生えている事が多いのです。
スギナの駆除対策
液体除草剤を丁寧に塗布する

スギナの周辺に、お気に入りの植物が少ない場合に適しています。
用意する物は、除草剤、洗面器、厚手のビニール手袋、マスク、帽子になります。
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手袋とマスクを装着した後に、購入してきた除草剤を洗面器へ入れます。
作業中に除草剤をこぼさないように、入れる量は加減しましょう。
除草剤が入った洗面器に、厚手のビニール手袋をした手を漬けます。

除草剤が付いた手袋のまま、地上部のスギナの全面に除草剤が塗布されるよう、撫でるように1本ずつ丁寧に付けていきます。
1本1本なので少し面倒と思われる印象を持たれる方もいらっしゃると思います。
しかし、丁寧に満遍なく全体的に塗布していく事によって、スギナ自体が除草剤を確実に吸収してくれます。
翌年のスギナの激減ぶりに期待して頂きたいです。
お気に入りの植物に誤って除草剤をかけてしまわないように、気を付けて作業しましょう。
石灰窒素を使用する

石灰窒素は灰色の農業用の肥料になり、液体肥料よりも更に根深い所まで根絶させたい場合に向いています。
田んぼの藁を腐食させるために使用する事が多いのですが、使用目的場所が田んぼなので、街中のホームよりも田んぼが多く見られる地方や田舎のホームセンターで見かける割合が多いです。

石灰窒素を撒くと、一か月は新たな植物を植える事は出来ませんが、石灰窒素は土中でそのまま窒素分に変化してくれるという利点があります。
注意点として、石灰窒素は素手で触ると焼けてしまうので、手桶のような物ですくいながら撒きましょう。
背丈が高い植物を植える

除草剤を使いたくない場合やエリアが狭い場所などに向いています。
お好みの植物で良いと思いますが、ヤブランなどはスギナより背丈がありスタイリッシュな葉を持つ上にローメンテナンスな植物なので、まとめて植えれば、スギナの存在も薄くなるでしょう。
スギナは、光合成出来るか出来ないかで繁殖力が左右されます。
30~40cmになるスギナの背丈より高くなる植物を周辺に植えると、やがてスギナは背丈のある植物内に埋もれてしまいます。
すると、次第に光合成が出来なくなり、勢いはなくなります。

スギナを完全に根絶できるとは限りませんが、埋もれてしまう事で意識が向く事がないので日常的なストレス自体も無くなるでしょう。
芝生にする
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除草剤を使いたくない場合や広い場所などに向いています。
芝生を敷くための前準備などは必要ですが、敷いてしまえばスギナの繁殖力は低下します。

芝生の中でもスギナは生えるのですが、芝生管理のために芝刈りを定期的に行う事で、芝生と一緒にスギナもカットされます。
カットされる事で光合成がしずらくなり、やがてスギナの繁殖力を低下させる事が出来るのです。
土のままにしない

新居での新生活でバタバタしていて、お庭管理にまで手が回らない時などは、取り合えずグランドカバーを植えておきましょう。
エクボソウやポリゴナムなどは強健で密になりながら広がるので、手間をかけられない時などには便利な植物です。
スギナの胞子は、湿度が低い晴れた日であれば、軽く触れたり風が吹いただけでかなり遠くへ飛んでいきます。
自宅周辺の道路沿いや空き地などにスギナが生えている場合には、土のままにせずグランドカバーなどで土を覆っておくだけでもスギナ対策になるでしょう。
ツクシをみかけたら摘み取る

スギナの繁殖に大きな役割を担っているツクシ。
早春を知らせる可愛らしいツクシが、お庭の景観を乱す根源の1つだったと知り、少し見方が変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お庭の景観を考えた時に摘み取るのも良し、摘み取って春の息吹を感じる食卓の一品にするのも良いでしょう。
まとめ

お伝えしたスギナの駆除対策、いかがだったでしょうか。
スギナの特徴を把握すれば、一喜一憂する事もないですよね。
そして、ご自身に合った対策を講じれば、その後のお庭の管理が楽になります。
毎年、スギナに悩まされる事を続けるのか、一度じっくりと対策を行う事でスギナへのストレスを無くすのか、どちらが良いでしょう。
景観性の良いお庭を目指して、お庭管理のストレスを解決しましょう。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡