雑草対策として熱湯除草を検証してみた!
熱湯除草は画期的な雑草対策になるのか?
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ガーデニングシーズンになるとウキウキする一方で、必ず直面するのが雑草問題です。
除草剤のような化学成分で一気に枯らしてしまう方法もありますが、環境に優しいということで「熱湯で雑草対策する方法」があることをご存知でしょうか。
熱湯を使った除草は、化学成分を使わない環境に優しい方法であると同時に安全性が高いので、小さなお子さんがいらっしゃったり環境に優しい方法を考えている方がトライされているようです。
ただし、どれほどの効果があるのかも疑問です。
そこで、今回は実際に熱湯除草を行った結果や考察をまとめてみました。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
熱湯除草について
熱湯除草の方法

熱湯除草の方法はシンプルです。
沸騰したお湯をポットから直接、除草したい植物の葉にまんべんなくかけます。
さらに、根元までしっかりと枯らすために沸騰したお湯が土に染み込むまでかけることが大切です。
熱湯をかけるエリアによっては、熱湯が周りの大切に育てている植物に飛び散ることがあるため、周囲の植物に熱湯がかからないように配慮しましょう。
熱湯の温度

熱湯の温度は、除草するためには非常に重要です。
熱湯除草で調べると、100℃の熱湯を使うことが推奨されています。
それは、100℃の沸騰した熱湯をかけると雑草の根が死滅するからです。
ただし、根が死滅するというのは、あくまでも100℃の状態で根まで届いた場合のようです。
熱湯の量

熱湯の量も、除草するためには重要な要素になります。
一般的には、雑草の生えている範囲に対して十分な量の熱湯をかけることが大切です。
熱湯が足りないと効果が出にくくなることがあるからです。
また、雑草が単体なのか密集しているエリアなのかで熱湯の量を変えることが必要になる場合があります。
注意点

熱湯除草は、簡単で環境に優しい方法ですが注意点があります。
まず、熱湯がかかった植物やその周辺には、しばらく触れないようにする必要があります。
熱湯がかかったエリアは火傷の危険性があるためです。

特に、小さなお子さんやペットがいる場合には、火傷の心配がなくなるまでエリアに入らない様にするなど十分に注意する必要があります。
また、熱湯除草は特定の植物に対しては有効ではありません。
たとえば、非常に繁殖力がある植物に対しては熱湯除草は効果が出にくいことがあります。
熱湯除草する植物
熱湯除草する植物:オオアレチノキク(画像右側)

キク科イズハハコ属
一年草
オオアレチノキク(大荒地野菊)は黄色い花を7〜10月に咲かせ続け、1本あたり10万個以上の種子を飛ばして驚異的に数を増やします。
その名のゆえん通り、荒れ地全体を占有したり道端で大きく育っている風景が全国各地で見られる代表的な雑草です。
熱湯除草する植物:ハルジオン

キク科アズマギク科
多年草
種子でも増え、繁殖力と定着力があります。
春先に、道端や庭、玄関先などで必ず見かける外来植物です。
熱湯除草の結果
検証方法

①筆者宅の庭に生えているオオアレノキクとハルジオンを、それぞれA、Bとする。
②A、Bに対して、熱湯をかける前〜かけた後96時間までの様子と96時間後の根の様子を観察する。
熱湯除草前

熱湯除草前は、どちらも半日陰のエリアで生き生きと育っています。
熱湯除草直後

熱湯をかけた直後から、どちらの葉も一気にしおれてしまいました。
しかし、Aは2m弱まで成長するパワーを持っている雑草だけに、熱湯をかけても茎はシッカリしています。
熱湯除草5時間後

A、Bどちらとも、葉の色が変色し始めました。
熱湯除草24時間後

葉の変色は進んではいませんが乾燥し始めてきました。
Aに関しては、相変わらず茎はシッカリしています。
熱湯除草48時間後

葉の色が徐々に黄色に変色しています。
熱湯除草96時間後

地上部の葉は完全に枯れている様子です。
Aは相変わらず茎がシッカリとしており、葉のみ除いて様子をみれば新芽が出てきそうな印象です。
熱湯除草された96時間後の根の状態

Aの根はピンと張り、根を切断してもシッカリと生きていました。
逆に、Bはヒョロヒョロと弱々しく根の断面が茶色く枯れていました。
Bは、地中から抜く際も簡単に抜けたので根まで熱湯が届いたようです。
熱湯除草検証の結果

熱湯除草は、地上部の葉には効果がある。
熱湯をかけた直後から弱り始め48時間後には明らかな葉の変色が見られました。
しかし、96時間後に地中から掘り出してみると、オオアレノキクの根はしっかりとしており枯れてはいませんでした。
一方、ハルジオンの方は若芽だった事もあるのか根まで枯れていた。
今回の検証で、熱湯除草は全ての雑草を完全に排除するという効果はなく限定的ということが分かりました。
熱湯除草のメリット
環境にやさしい

熱湯除草は除草剤に入っている化学成分を一切使わないため環境にやさしい方法です。
逆に、除草剤は人体に影響があったり雑草以外の土にもかかってしまい、除草剤に含まれる化学成分で土自体を痩せさせてしまいます。
また、作業中に周囲の植物にもかかってしまうこともあり間違って枯らしてしまうリスクも高いです。
高い安全性

一般的には、どの除草剤も人体に大きな影響はないと記されているのですが、やはり何らかの強い化学成分が入っているので、頻繁に除草剤を使用する事はオススメしません。
その点、熱湯除草であれば沸騰したお湯というだけなので安全ですよね。
手軽さ

熱湯除草は、沸騰したお湯を雑草の生えている場所にかけるだけという非常に簡単な方法です。
また、熱湯除草をするうえで特別に用意するものがありません。
ヤカンか湯沸かしポットがあれば事足ります。
それ故に、取り入れやすい手軽な方法ともいえます。
熱湯除草のデメリット
効果が一時的で根本的な解決にはならない

熱湯除草は、熱湯がかかりやすい土の表面にある葉を枯らす効果はあります。
しかし、雑草の成長状態によっては効果が一時的で終わる場合がほとんどです。
新しい雑草で根が弱い場合は一度の処理で根こそぎ枯らすことができますが、根がしっかりしている場合は、何度か作業を繰り返す必要があります。
根が地中深く張っている場合には、熱湯が地中の根の先端まで届くことは難しく除草効果は望めないでしょう。
地上部が枯れたとしても地中部の根はしっかり残っていて、直ぐに新芽が出てくるという訳です。
作業が面倒

熱湯除草は、沸騰したお湯で火傷しないように気をつけながらお庭に出る、という作業を何度も繰り返すことになり面倒です。
また、雑草と植物が混在した場所では、熱湯の量やかけ方を工夫する必要があるため時間や手間がかかる場合もあります。
さらに、何度も往復して作業した割には除草効果が一時的なので、モチベーション維持が難しいとも言えます。
もし、熱湯除草を続けていこうと思うと短い間隔で作業をおこなっていくことが必要です。
雑草が再び生えてくるまでの期間は、種類や環境によって異なりますが、1週間から1ヶ月程度が一般的です。
その感覚で作業を続けていくのは、みなさんにとってどうでしょうか。
火傷の危険性

熱湯除草というだけあって、熱湯なので安全に注意しなければなりません。
さらに、自分自身だけではなく、小さなお子さんもやペットがいる場所では周辺にも気を配りつつ十分に注意することが必要です。
水の消費量が増える

熱湯除草には、沸騰したお湯が必要になるため水の消費量は多いでしょう。
まとめ

熱湯除草は環境にやさしい方法です。
しかし、効果が限定的な割には頻繁な作業の繰り返しが必要で手間がかかります。
また、水の消費量が多いこともあげられます。
さらには、火傷などの危険性もあるため作業する際には十分な注意が必要です。
最適な除草方法を選ぶためには、雑草の種類や作業効率などを考慮する必要があります。
雑草と上手くお付き合いしながら生き生きとした美しいお庭を作っていきましょう。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡