宿根草の庭 5月のお手入れ
華やかな宿根草を楽しみながらお手入れもしっかりと

5月のお庭は4月に引き続き新葉が次々と展開し、お庭がみずみずしい緑に包まれる時期です。
5月に開花する宿根草は種類が多いので、色や形、香りなど様々な品種が私達の目を楽しませてくれます。
と同時に、これまでに比べて新たなお庭のお手入れ作業も増えていきます。
お庭を愛でながら、お手入れもしっかりと行っていきましょう。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
宿根草の庭①摘心

摘心とは、伸びてきた芽の先端を摘み取ることで脇芽を出させて育てることです。
わき芽が沢山出ることで、苗全体をこんもりと茂らせることが出来ます。
さらに、摘心をすることで二番花や三番花を楽しむこともできるのでガーデニングの楽しみが広がります。
摘心をする位置は、茎の出来るだけ葉に近い部分が良いでしょう。

画像のように、摘心を行うと脇芽が沢山出てきます。
宿根草の縦への成長が気になる場合には、おすすめの作業です。

特に、ガウラなどの自然の状態では縦にしか伸びない宿根草には特に有効です。
5月に摘心することで、縦成長から横方向へ成長させることが出来ます。

さらに、お庭の雰囲気や周辺の植物とのバランスを見ながら摘心されてみるのも良いでしょう。
植物の形をコントロールする楽しさが味わえますよ。
この摘心は、宿根草に限らず茎が伸びる一年草などにも有効なのでトライされてみてくださいね。
宿根草の庭②誘引と支柱立て
クレマチスなどのつる性の種類や初夏咲きで草丈が高くなるものは日に日に茎やつるが伸びてくる時期です。
つる性植物には、自ら何かに巻き付いて伸びていく種類と私達人間が誘因をしてあげないと自ら巻き付かない種類があります。

大人気のクレマチスは自ら巻き付いていくものの、バランス良くお花を咲かせたい場合には少し誘因が必要です。
仮に誘因をしないと、枝葉が密になることで病害虫が発生しやすくなります。
また、それによってクレマチスの成長や開花にも影響してしまうので、5月の大切な作業ともいえるでしょう。

画像のように平面なエリアであれば、クレマチスは比較的自ら絡まっていきながら成長してくれるので、あまり手間がかかりません。
ただ、広い面が取れるお庭に限られるというデメリットもあります。
逆に、画像のようなオベリスクであれば狭いお庭やベランダなどで育てられるメリットがある代わりに、こまめな誘因が必要です。
クレマチス自身が丸い形のオベリスクに合わせて絡んでいくことはないからです。
勢いよく茎が伸びる5月は、まめに観察して誘引してあげましょう。

また、ここ数年の5月後半の気候は梅雨の時期とも重なります。
雨の重みで倒れてしまうジギタリスのような宿根草もあるので、支柱などで支えてあげてくださいね。
宿根草の庭③種まき

5月は、オダマキ、カンパニュラ、ゲラニウム、ジギタリスなど開花までに1年かかる宿根草の種まきの時期になります。
園芸店でも手に入りやすい時期です。

種が発芽するには適した温度と水分が欠かせませんが、5月は種まきに適した時期です。
それは、発芽適温のおおよその目安が15〜20℃のものが多いからです。
初心者の方にとっても失敗しにくい時期なのでチャレンジされてみませんか。

ハードルが高そうな種まきですが、園芸店で購入した袋の裏に種まきの方法が記されていることが多いので、その通りに作業するだけで大丈夫です。
少し手間がかかるのは、カンパニュラやジギタリスです。
種が微細なので、種まき用のトレイを準備する必要があります。
市販の草花用の培養土を入れ、種が重ならないように均一にばらまくのがポイントです。
宿根草の庭④花がら摘み
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花が終わったら、早めに花がらをカットしましょう。
宿根草の株に余計な体力を使わせないためです。
と言っても、いざ、花後の植物を目の前にするとどうして良いのか分からないですよね。
花がら摘みは、植物によってカットの仕方が違うので、事前に調べて作業することをおすすめいたします。
ここで、いくつかの花がら摘み方法をご紹介しますね。

ベロニカ ”ブルーファウンテン”は、花が咲いた穂だけをカットします。
1つ1つカットしていくのが面倒な場合には、思い切って半分くらいにまで切り戻すのもおすすめです。
その際、カットした中に若い芽い枝がある場合には、さし穂に利用できます。
他のエリアに挿し木をして増やしていくのも楽しい作業ですよね。

宿根草クジャクアスターは、刈り込みバサミを使って地際から5~10cmの位置で刈り取ります。
すると、1ヶ月後には葉が茂ってきて二番花を付けてくれますよ。
他にも、秋咲きサルビア、宿根マリーゴールド、ススキ、秋咲きヘレニウムも同じ作業方法です。
このように、花がら摘みも植物によって様々です。
花がら摘みも、宿根草の管理には大切な作業となってきます。
宿根草のスムーズな成長を促すことに繋がるので、花後に忘れないようにしましょう。
宿根草の庭⑤鉢植えの管理

4月までと違い、5月は宿根草がグングンと生育していく時期です。
鉢植えの宿根草は、どんどん日に当ててあげましょう。

しかし、同時に土の表面があっという間に乾きやすくなるという事でもあります。
そこで、大切なのが土の観察と水やりです。
鉢土の表面が乾く前に少しづつ与えるというよりは、乾き始めたらタップリと水を与えましょう。
そして、また土が乾くまでは水を与えないというメリハリをつけることで宿根草の株も強くなっていきますよ。

さらに、鉢土の乾燥による水やり頻度が増えることで、肥料成分の流出も多くなります。
液体肥料や置き肥などを定期的に施して肥料切れをおこさないようにしましょう。
宿根草の成長過程を楽しむ5月

気温上昇に伴い、5月の宿根草の管理は新たな作業が増えていく時期です。
一から育てる種まき、成長過程のお手伝いとなる摘心や誘引、花後の花がら摘みなど植物のさまざまな成長過程に関わることになります。
みずみずしい新緑の季節の中で、宿根草の生命力を感じられる有意義な時間になることでしょう。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡