手間いらずな宿根草おすすめ7選
手間いらずな宿根草で楽しいガーデニングライフを!

春の足音が聞こえはじめたこの時期、お庭にお迎えしたい宿根草選びで迷っていませんか。
宿根草の魅力は、年々大株に育つと同時にお庭で輝きを増してくれることです。
さらに、大株に育つことで環境への適応力もつくので、植えた頃に比べると私達の手間もかからなくなります。
手間いらずな宿根草は、お忙しい日常を過ごしている方やお庭の手間を少なくしたい方の味方になってくれるでしょう。
そこで今回は、手間いらずなおすすめの宿根草をご紹介しますね。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
手間いらずな宿根草①ホスタ(ギボウシ)

キジカクシ科ギボウシ属
植栽可能地域:日本全国
日照条件:半日向∼半日陰
最終樹高:20~130cm程度(品種によって異なる)
幅:10~150cm程度(品種によって異なる)
花鑑賞時期:7月∼8月

ギボウシは、日本原産の日陰で育つ代表的な宿根草です。
花期もありますが、葉の美しさを楽しむのがメインになります。
ギボウシは種類が豊富で、葉の大きさや色、斑の入り方など変化に富んでおり、みなさんのお庭や好みにピッタリなギボウシが見つかりやすいというメリットがあるでしょう。

ギボウシの美しい葉は春の新芽から初冬の枯れゆく姿までも美しく、一年を通して私達の目を楽しませてくれます。
葉に注目がいきがちなギボウシですが、お花が美しい品種やいい香りがする品種もあるので、玄関周辺や目が届くお庭にお迎えすると日常生活も豊かになるでしょう。

ギボウシは明るい日陰を好み、日当たりが良すぎて乾燥するような場所は苦手です。
午前中だけ日が当たる東側や明るい北側などがオススメになります。
しかし、どうしても南側にしか植えられない場合でも大丈夫です。
南のお庭でも直射日光が一日中当たらない落葉樹の下や塀の陰になるようなエリアであれば、生き生きと育ちますよ。

また、葉の美しさを生かして他の植物と寄せ植えにすることも可能です。
その際は、購入しようとしているギボウシが最大でどの程度の大きさになるのかを確認したうえで植栽計画を行いましょう。
特に、大型種のギボウシを購入された際は、ある程度広めの場所をご用意してくださいね。

ギボウシは、基本的に植え付け後は放っておいても大丈夫な宿根草です。
鉢植えの場合は水やりが必要ですが、地植えの場合は水やりは降雨のみで大丈夫です。
注意点として、植え付けるエリアの水はけが悪いと白絹病や軟腐病になるので植える際は土の状態を確認します。
また早春に、ギボウシの新芽が土から出てくる際に遅霜に当たるとせっかくの新芽が傷んでしまいます。
そのシーズンのギボウシの美しい葉が期待できないので、防寒対策はしっかりと行いましょう。
ギボウシの冬に枯れてしまった黄色い葉は地際からカットしてしまうので、真冬には地上部がない状態になります。
そして、やがて春になり新芽が土の中から顔をのぞかせた時、ギボウシ、または宿根草の生命力を感じずにはいられないでしょう。
育てやすく初心者向きなので、ぜひご自宅のお庭に宿根草のギボウシを取り入れてみてくださいね。
手間いらずな宿根草②アガパンサス

ムアサキクンシラン(ユリ)科 アガパンサス属
植栽可能地域:日本全国
日照条件:日向∼半日陰
最終樹高:70cm~150cm(品種によって異なる)
幅:30~100cm程度(品種によって異なる)
花鑑賞時期:6月∼7月

宿根草のアガパンサスは、冬に葉を落とす落葉種と常緑種があります。
冬に地上部が無くなりお庭が寂しくなるのを避けたい方には常緑種もオススメですが、耐寒性のない品種が多いです。
地域によっては地植えがしにくかったり、鉢植えとなると手間もかかってきますよね。
初心者さんであれば、手間のかからない落葉種のアガパンサスに挑戦してみましょう。

アガパンサスの特徴は、涼感のあるさわやかな花とスッキリとした立ち姿です。
花の色もさわやかな白や水色、濃青など様々な品種があります。

最近では、一重咲きや八重咲き以外にも斑入り葉の品種など珍しいアガパンサスも見かけるようになりました。
元々、洋風和風問わずどんなお庭にも合うアガパンサスでしたが、お庭に取りいれる楽しさが増して注目されています。
また、数本でアクセントにしたり、花壇の縁取りや敷き詰めて植え付けるのもステキです。
土の状態が悪いエリアでも生き生きと育ってくれるので、植物が生えにくいようなエリアに土固めとしてアガパンサスが植えられていたりもしますよ。

宿根草のアガパンサスを植える際の植え付け間隔は、20cm程度がおすすめです。
日陰でも十分育ちますが、逆に直射日光が当たる場所は葉が黄色く焼けてしまうことがあるので植え付けるエリアには気をつけましょう。
手間いらずな宿根草③キャットミント

シソ科イヌハッカ属
植栽可能地域:日本全国
日照条件:日向
最終樹高:20~30cm
幅:20~40cm(環境によって異なる)
花鑑賞時期:4月∼10月

キャットミントはハーブとしての役割もありながら、どちらかと言うと観賞用として親しまれている宿根草です。
また、開花期間が長いのでお庭やコンテナなどで長期間楽しめるのも魅力的。
さらには、草姿が乱れずバラとの相性が良いので脇役として大活躍する宿根草となっています。

さらに、キャットミントは花色が多いのも特徴です。
品種によって、濃青紫から淡い青紫、ピンク、白などがあります。
メインの植物を植えた後にポッカリ空いてしまった空間や何か植物が欲しい時に、キャットミントからお好きな色を選び植えてみるのも良いでしょう。
キャットミントは小花が穂になって咲くので、遠くから眺めるとラベンダーと勘違いしてしまう特徴もあります。

キャットミントは品種改良が盛んで、様々な品種が揃っています。
例えば、2021年に販売を開始したキャッツパジャマという新しい品種は、草丈20~30cm前後とかなりコンパクトです。
花壇の前方や狭い場所、またはスポット的にお庭の中に植えていくのも楽しいですよね。
他には、ロングセラーとなっているウォーカーズロウという品種は、花が大きく見応えがあるうえに草姿がまとまりやすいという点が優れており、海外で数々の賞を獲得している品種となっています。
品種によって特徴が違いますので、園芸店で宿根草のキャットミントを見かけた時は品種まで確認しながら購入することをおすすめいたします。

キャットミントの管理はとても楽で手間いらず。
お忙しい方にこそ、お庭に取り入れて頂きたい宿根草です。
宿根草を植え付ける前には土の改良が必要なことが多いですが、痩せていて乾きやすい土を好むキャットミントはその手間がいりません。
逆に、肥沃な土に植えてしまうと、ある程度は茎や葉が伸びるものの花が咲きにくく期待していたお花が楽しめなくなるのです。
あえて土の改良をしなくても良いなんて有難いですよね。
そんな野性的なキャットミントですが、地下茎で増えるタイプではないのも嬉しいポイントです。
気が付いたら増えていたという事もないので安心してお迎えできるでしょう。

唯一苦手なのは、多湿です。
梅雨の長雨で蒸れてしまうので、水はけと日当たりの良いエリアに植えてあげるようにして下さいね。
その後は放任で構いません。
次第に株も大きくなり、そのエリアに馴染んでいくことで花つきも更に良くなるでしょう。

お手入れとしては、夏に満開を過ぎたら一度短く切り戻します。
この作業を忘れてしまうと夏の暑さと蒸れで傷んでしまうので、花後の剪定は必ず行いましょう。
すると、秋に再び茎が伸びてきて花を咲かせてくれますよ。
手間いらずな宿根草④サギゴケ

ゴマノハグサ科
植栽可能地域:日本全国
日照条件:日向∼やや半日陰
最終樹高:2~5cm程度
幅:30cm程度(生育後・環境差がある)
花鑑賞時期:5月∼7月

サギゴケは、春になると地面いっぱいに小さくて可憐な花を咲かせます。
地面を這うように広がるのでグランドカバーとして活用されることが多いのですが、その這う様子が苔のようである事から、サギゴケと呼ばれています。
宿根草であるサギゴケは日本自生の植物です。
そのため日本の気候に合う宿根草で、植えっぱなしで年々増えるため初心者でも取り入れやすいのがサギゴケの特徴です。
繁殖力が旺盛でカバーしたいところを直ぐに覆ってくれますが爆発的に増えることはないため、忙しい日常に追われていて管理ができなくなったという事もないでしょう。

サギゴケの花は白や紫、紫に近いピンク色など様々な色がありますので、みなさんのお庭の雰囲気や周辺のお花とのバランスを見ながら選んでみましょう。
サギゴケは日向から半日陰のエリアで良く育ちます。
日射しがあった方がお花も付きやすいですが、ここ数年の温暖化で日射しが当たり過ぎても弱ってしまうようです。
日向よりは半日陰の方がベストかもしれません。
暖地の方であれば、サギゴケは冬季でも葉は常緑で残るので一年中のグランドカバーとして活躍してくれますよ。
手間いらずな宿根草⑤ガウラ

アカバナ科
植栽可能地域:日本全国
日照条件:日向
最終樹高:60~80cm前後
幅:50~80cm前後
開花時期:5月∼11月

ガウラの最大の特徴は、まるで蝶々が舞っているかのような可愛らしいお花が咲くことです。
背丈があり茎がしなやかなので、風が吹くとユラユラと揺れ蝶々が舞っているかのように見えます。
別の呼び方として白蝶草(シロチョウソウ)とあるくらいなんですよ。

北アメリカ原産である宿根草のガウラですが、日本でも初夏から初冬まで長期間咲き続けます。
また、こぼれ種でもよく殖えるので、一度植えてしまうと知らない間にガウラが増えているかもしれません。
特に、日向のお庭に植えておくと花付きも良く楽しめるでしょう。
宿根草の中では珍しく花期が長いうえに、お花も次から次に休まず咲き続けます。

さらに、暑さと寒さに強いので放任でも良いという点が魅力的です。
初心者さんはもちろんですが、ベテランガーデナーの方にとっても日向のお庭にあると重宝するのがガウラの良いところでしょう。
植えっぱなし、花期が長い、水やりも不要というローメンテナンスさが注目されつつあり、数年前から園芸店でも見かけるようになっています。

前述したように、お手入れはほとんど不要なガウラですが、みなさんのお庭でより楽しむためには剪定がポイントです。
まずは、茎が伸びてくる春に一度短く切って花芽を増やしつつ草丈を低くまとめます。
その後、初夏からお花が咲き始め夏に向けてどんどん伸びます。
夏が終わるころになると、お花が減っていくタイミングがあるでしょう。
まだお花が咲いているかもしれませんが、そのタイミングで再び短くカットしましょう。
すると、秋から咲く花数が多くなり冬までコンパクトな姿を保ちながら育ってくれますよ。
肥料は、春、晩夏に切り戻した際に少量の化成肥料などを施すことで、お花を沢山付けてくれるでしょう。

逆に、充分な敷地と空間がある方であれば、無剪定で伸ばすこともできます。
あえて大きく育ててフォーカスポイントにしたり高い場所からしだれさせたり、群生させてみるのも良いですよね。
大胆に育てたい方は冬以外の剪定は不要になります。
手間いらずな宿根草⑥ミューレンベルギア カピラリス

イネ科ネズミガヤ属
植栽可能地域:南東北∼九州
日照条件:日向∼半日陰
最終樹高:100cm程度
幅:50cm程度
花鑑賞時期:9月∼11月

宿根草であるミューレンベルギアカピラリスの最大の魅力は、秋に見られる赤紫色のスモーク状になる美しいグラスです。
大株になると穂がたくさん上がり、遠目で見ると赤い霧がかかったような幻想的な景観をつくり出してくれます。

また、ミューレンベルギアカピラリスのシルバーグリーンの葉は細くて硬さがあり、カラーリーフとしての観賞価値も高い宿根草です。
夏の後半になると穂が出始め、最初は白かった穂が徐々に赤く変わります。
気温が低い時期になると、グレーに変化するので雰囲気もグンと変わりますよ。
常緑でありながら冬の寒さで傷んでしまい落葉する場合もありますので、株の姿が乱れてきたと感じた時は春前に地上間近で切り戻しましょう。
春以降に新芽が出て新たな美しい樹形を見せてくれます。

ミューレンベルギアカピラリスはポイントまたは単独で植えてもステキですし、群生するように植えてもステキです。
群生させる場合には50cm以上離すのがベストでしょう。
植え付け後は放任でも美しく育ち、真夏のカンカン照りが続く日以外であれば水やりは降雨に任せても大丈夫です。

ミューレンベルギアカピラリスのようなグラス系は、お庭の縦線のアクセントとして存在感がありここ数年で人気が出てきたオシャレな植物です。
そのようなブームをうけて園芸店でも様々な品種が並ぶようになりました。
ぜひ、お庭のフォーカスポイントとして取りいれていただきたい宿根草です。
手間いらずな宿根草⑦リアトリス

キク科
植栽可能地域:日本全国
日照条件:日向
最終樹高:50~100cm程度(品種によって異なる)
幅:30~80cm(品種によって異なる)
花鑑賞時期:6月∼9月

リアトリスは空に向かって真っ直ぐに成長する背の高い宿根草です。
品種によって高さは様々ですが、50〜100cmの高さになり初夏から穂状~球状の花を咲かせます。
花色は赤紫や紫、白があり、シックで大人な雰囲気を作り出してくれますよ。
ここ数年で流行っているブラック系の植物との相性も良いですよね。

リアトリスは日当たりが良くて水はけのよいエリアが適地です。
暑さには強くて丈夫ですが、高温多湿にはやや弱いところがあるので梅雨の時期に傷めないようにする工夫が必要です。
最近の異常な梅雨の降雨量を考えた場合、地植えであればレイズドベッドのような環境を作ってあげるのも良いでしょう。
レイズドベッドとは「上げ床花壇」のことで、高くすることで水はけが良くなり高温多湿の弱い植物にとっては好条件となります。

また、環境が良くなると花茎をたくさん立ち上げて華やかになりますが、蒸れ対策のために春の間に弱い芽は間引くと良いでしょう。
リアトリスの花後は、終わった花がらだけを切り取る程度で手間はかかりません。
株が込み合ってきたと感じたら、晩秋か春に株分けするのも良いですよ。
肥料に関しては春と花後に緩効性肥料を少なめに与えます。
多肥にすると徒長しやすく倒れやすくなってしまうので、与える量には注意しましょう。

リアトリスの面白いポイントとして、リアトリスの花は穂の上から下に向かって徐々に咲いていくという特徴があります。
お庭に取りいれて、その楽しいリズムを味わってみるのも良いでしょう。
お庭作りのお供に手間いらずな宿根草を

この春おすすめの手間いらずな宿根草、気になったものがあったでしょうか。
王道なものから、グランドカバー、フォーカスポイントとなる背の高いものまで色々とありました。
お庭がある限り、季節ごとに様々なガーデニング作業があります。
みなさんが長くガーデニングを楽しむためにも、手間いらずな宿根草を選ぶことも大切ですね。
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この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡