シェードガーデンや存在感で魅了するギボウシの育て方

存在感だけで十分な魅力をもつギボウシ

ギボウシの魅力

ギボウシは、株元から放射状に広がる美しい葉が魅力のシェードガーデンにおける代表的な植物です。
決して派手なアピールはないものの、自然美のある姿や多様なリーフの美しさ、そして葉の中央からスクッと立ち上がって咲く花の凛々しい姿が魅力です。

ギボウシは、実は古来より観賞用として植えられてきた植物で、長年に渡って栽培・交配されてきた歴史があります。

そのため、葉の色別、大きさ別、形別と様々な分類で分けられ、葉の色や斑の模様も様々です。

今回は、ギボウシを種類と代表的な品種、その魅力をお伝えできたらと思います。お庭には欠かせない下草、ギボウシの魅力をぜひ感じていただければ幸いです。

目次

  1. 存在感だけで十分な魅力をもつギボウシ
  2. ギボウシの基本情報
  3. ギボウシの育て方
    1. 植え付け環境
    2. 用土
    3. 肥料
    4. 植え付け時期
    5. 水やり
    6. 剪定
    7. 植え替え
  4. ギボウシの種類
  5. ギボウシの種類:大葉×単色
    1. 品種名:オーガストムーン
  6. ギボウシの種類:大葉×斑入り
    1. 品種名:寒河江(さがえ)
  7. ギボウシの種類:コバ(小葉)ギボウシ
    1. 品種名:霊峰(れいほう)
    2. ギボウシ:白中斑オトメギボウシ
  8. ギボウシの魅力
    1. シェードプランツの主役になるギボウシ
    2. お気に入りが必ず見つかるギボウシの多様性
    3. 凛々しい花
  9. まとめ

ギボウシの基本情報

属性:キジカクシ科 ギボウシ属

タイプ:宿根草

性質:暑さ寒さに強い、乾燥に少し弱い、ローメンテナンス

草丈:15~150cm(種類によって様々)

花期:7~8月  青紫色、淡い青、白色

ギボウシの育て方

植え付け環境

ギボウシの育て方

植栽可能な地域は九州~東北南部になります。
お庭の中では、落葉樹の下の半日陰になる場所が最適ですが、午前中のみ日光が当たる建物の東側などでも良いでしょう。
品種により日光で葉焼けするものしないものがあるので確認が必要です。

用土

適度に湿り気がある土を好みます。

肥料

特に気にする事はありません。

植え付け時期

ギボウシの植え付け時期

春に芽を出してポットで販売されるようになるので春に植え付ける事が多いですが、それ以外の時期でも大丈夫です。

水やり

ギボウシの水やり

鉢植えのギボウシは土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
庭植えのギボウシは基本的には根付いてしまえば水やりの必要はありませんが、真夏に極端に土が乾いている場合は水やりを行いましょう。

剪定

ギボウシの剪定

秋以降に葉の先の方から徐々に黄色くなり倒れるので、根元からカットしましょう。
筆者のおすすめになりますが、全ての葉が黄色くなり倒れていく姿も風情があるので、倒れるまでそのまま観賞して最終的に根元からカットするというのも良いですよ。

植え替え

植え替え時期は2~3月か9~10月です。
鉢植えのギボウシは、1~2年に1回、一回り大きな鉢に植え替えます。地植えのギボウシは3~4年に1回掘り起こし株分けして植え直すことも可能です。

ギボウシの種類

ギボウシの種類は、現在様々なものがあり、これがギボウシの魅力ともいえます。
一般的な原種のギボウシは、つやのある緑色の葉で、大葉(中~大葉)種と小葉種に分かれ、それぞれに単色と斑入りがあります。
原種のものでも十分美しいですが、特徴的な葉が良い場合は、品種分けされた色とりどりのギボウシもおすすめです。

ギボウシの種類:大葉×単色

葉が単色で緑色のものは、いわゆる一般的なギボウシです。葉は成長すると20㎝程度になります。

品種名:オーガストムーン

ギボウシ オーガストムーン

中大葉種で代表的な品種として、オーガストムーンがあります。オーガストムーンは、ライムグリーンから徐々に黄色が強く出る葉で、暗いシェードガーデンが爽やかな印象になるでしょう。葉が厚く日光にも強い上に丈夫で育てやすいギボウシです。

オーガストムーン以外にも、シルバーリーフの品種や艶があってコンパクトに育つ「ロイヤルスタンダード」などがあります。

ギボウシの種類:大葉×斑入り

斑(ふ)入りとは、緑葉に別の色の模様が入る葉のことを指し、白色の斑が定番です。この葉に斑が入るギボウシをフイリギボウシと呼びます。原種のフイリギボウシのほかに、特別な個性を持った品種名の付くものもあります。

品種名:寒河江(さがえ)

ギボウシ:寒河江

日本で生み出されたとても有名なギボウシで、世界中でも人気の高い品種になります。
ウェーブ状になった鮮やかな緑色の葉の縁には、美しいクリームイエローの斑が入ります。この葉の縁に斑が入る品種を斑入りギボウシと言うのですが、すっきりと立ち上がる姿や質感、芳香なども相まって他に替わりがない名品と言われています。
一株でも迫力と美しさをかもし出す寒河江。すっきりと立ち上がる姿に、思わず見惚れてしまう事でしょう。

寒河江のほかに、黄緑色の斑が入る「ゴールドスタンダード」や、葉がうねるような形をしている「メディオバリエガータ」などがあります。

ギボウシの種類:コバ(小葉)ギボウシ

コバギボウシは、葉の長さが10㎝前後のギボウシを指します。コバギボウシで緑葉単色のものは、いわゆる原種のコバギボウシです。コバギボウシにも単色と斑入りが存在します。

品種名:霊峰(れいほう)

ギボウシ霊峰

まるで炎の揺らめきのような大きな中斑(なかふ)が特徴的です。斑の入り方は初めから大きい場合や徐々に広がる場合など様々で、育てていく中で面白みを感じる事が出来ます。
小型種なので鉢植え向きですが、地植えの場合には一株だと他の大きな植物に隠れてしまう可能性があり楽しめなくなるので、数株をまとめて植えると存在感が出てきてお庭の中でのポイントにもなるでしょう。

ギボウシ:白中斑オトメギボウシ

ギボウシ:白中斑オトメギボウシ

葉はやや波打ち、白~白緑色の葉に緑の覆輪が入ります。
ギボウシの中でも最も小型の種類になり、葉の大きさが2~4cm程度なので小鉢や寄せ植えに合うでしょう。

ギボウシの魅力

シェードプランツの主役になるギボウシ

ギボウシの魅力3

ひと昔前であれば、暗くただ寂しいだけだった日陰のお庭も、ギボウシを取り入れる事で素敵な空間が作れる事を私達に気づかせてくれました。
それくらいに、日陰のお庭に欠かせない存在がギボウシです。
本来葉色の明るい植物は、日当たりが悪くなると発色が悪くなりますが、ギボウシは日陰を好むためその心配がありません。
しっとりと癒しの空間となるシェードガーデン。ギボウシはその立役者といえるのではないでしょうか。

シェードガーデンの主役:ギボウシ

色彩が豊かなギボウシは、葉の面積が広い分、存在感とまとまり感が出てシェードガーデンの位じめじめした雰囲気を吹き飛ばしてくれます。

※画像は、ギボウシ「リバティ」

お気に入りが必ず見つかるギボウシの多様性

ギボウシの多様性

ギボウシは、様々な斑入りの品種、葉脈の陰影が美しい品種、多彩な葉色に加え、葉の大きさも30㎝を超える大型種から10㎝未満の小型種まで数多くの品種があります。

葉色は緑系だけでなく、シルバーや青に近いものもあり、まさに多種多様です。
(※画像はロイヤルスタンダード)

例えば、雑木の庭であればシンプルな原種の緑か、差し色としてシンプルな白の斑入りが似合います。
洋風モダンや他のカラーリーフと合わせる場合は、色味鮮やかな葉が良いでしょう。
日陰を明るく見せたいのであれば、明るく大きな葉のギボウシがおすすめです。

このように、お庭のテーマや他の植物、環境、好みに合わせて選べるのがギボウシの最大の魅力といえます。

日陰のギボウシ

あなたの思い通りのシェードガーデンをギボウシで描いてみましょう。

凛々しい花

ギボウシ花

株元の中央から茎をスクッと長く伸ばし、その先に咲く花はとても凛としています。花期は短いですが、芳香性がある品種などを植えると楽しみも増えるでしょう。

まとめ

シェードガーデンで美しい葉が魅力的なギボウシをご紹介してきました。
美しさというと花に注目しがちですが、ギボウシの葉の美しさは花の美しさにはないしっとりした雰囲気があり、いつのまにか、みなさんの心まで癒してくれるはずです。
多種多様な種類がある中で、それぞれの特徴を踏まえ異なるサイズや葉の色を組み合わせたり他の植物との寄せ植えをする事で、しっとりした美しいお庭を作りあげて頂きたいです。

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この記事のライター

rangea

九州在住のガーデニングライター

家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡

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