【初心者でもできる】人気の家庭果樹!レモンの特徴と育て方
初心者でも簡単!レモンの育て方

レモンは果汁、果皮が料理やお菓子づくりで利用できることや、可愛らしく素晴らしい香りの白い花が咲くためシンボルツリーとしても植えることができるので、非常に人気の高い家庭果樹の1つです。
また、栽培も比較的簡単で病害虫の影響も少ないため、農薬も使わずほぼ放任で育てることができるのも人気の理由です。
とは言っても、実際育てるとなると、
「私の住んでいるところで育てることができるの?」
「育てるのにどんな管理作業が必要なの?」
などいろんな疑問が出てくると思います。
そこでこの記事では、
・育てる前に知っておきたいレモンの特徴
・レモンを育てるために最低限必要な管理作業
をご紹介していきます。
また、レモン栽培のプロである農家さんにも直接コツを聞いてきました!
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
レモンを育てる前に知っておきたいこと

レモンは耐寒気温が-3℃と他の果樹の比べて寒さに弱いため、これ以下の温度になってしまうと枯れてしまいます。-3℃以下になる寒い地域でレモンを育てる場合は鉢植えで育て、冬の間は部屋の中に移動するようにすれば育てることができます。
1本でも結実するため受粉樹は必要なく、庭に少しスペースがあれば植えることができます。「四季なり」と言って年に何回か花を咲かせ実を付けてくれるため、うまくいけば9月から翌年の5月とほぼ1年中収穫を楽しむことができます。何回も収穫できるのは嬉しいですよね。
植え付けから収穫まで鉢植えで2~3年、地植えで3~4年と少し時間はかかりますが、日当たりさえ気にしておけば管理は比較的簡単で手間がかからず、病害虫にも強いので忙しい方でも気軽に育てる事ができます。
それでは、栽培カレンダーに沿って、レモンの育て方をご紹介していきます。

レモンの育て方①:基本作業(通年)
水やり
・鉢植えの場合
水やりのタイミングは、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいまでたっぷり水をあげましょう。
水やりには水の補給以外に、土の中の空気や養分を交換する大切な役割もありますので、十分な量の水をあげる必要があります。
・地植えの場合
地植えで育てる場合は基本的に水やりは不要です。
根が地中に広い範囲で広がり、そのうえ地中にはある程度雨も保水されているからです。
ただ、晴天の日が何日も続き土が乾いてしまうと水切れを起こし、その後の実つきが悪くなってしまうことがあります。
真夏に降雨がない日が続く場合には、土の状態をよく観察し、必要に応じて水をたっぷりあげましょう。
肥料
1年の間に元肥、追肥、お礼肥の3回に分けて施します。
一度に大量に肥料を施しても、根が傷むか、吸収されないうちに根の範囲外に流れ出てしまうからです。
2月に元肥として、ゆっくり効果の持続する有機質の肥料、6月に果実肥大を助ける追肥として化成肥料(チッソNーリン酸PーカリK=8-8-8のものなど)、9月~10月に消耗した木に養分を与えて回復させるお礼肥として化成肥料を施すのが一般的です。
トゲ取り

レモンは品種によって葉の付け根にトゲがあるものがあります。トゲがあると収穫などの管理作業中に引っ掛けて怪我をする可能性があるので、見つけ次第すべて切り取っておきます。
最近ではレモンのとげなし品種も出回っており、家庭菜園でレモンを育てている方を中心に人気を集めています。余計な手間をかけたくないという方は、このような品種を選んでおく方がよいかもしれません。
【柑橘苗木】【2年生苗】とげなしレモン 高さ70cm~1.0m程度
※トゲなしレモンでも、幼年期はとげが生えます。成長に従ってトゲがなくなってきます。
レモンの育て方②:植え付け(3月)
必要なもの

・レモン苗
・8号の植木鉢
・鉢底石
・果樹用の土(無い場合は野菜用の土と鹿沼土を7:3で混ぜる)
植え付けの手順
レモンの植え付けは休眠期の3月ごろに行うのがベストです。
・鉢植え
鉢底に鉢底石を入れ、土を鉢の半分程度入れます。
そこに苗を根を広げながら入れ、さらに上から土をいれます。
この時、接ぎ木の部分(木根元のこぶ状にプクッと膨らんだ部分)を土に埋めてしまわないように、地上に出して植えるよう注意します。
最後に水をたっぷりやれば植え付けは終了です。
・露地植え
植え付けの1か月前くらいに直径70cm、深さ50cm程度の穴を掘り、堆肥、石灰、有機肥料を適量混ぜ、埋め戻します。
鉢植えと同じようにたっぷりと水をやれば完成です。
レモンの育て方③:収穫(9月〜)

レモンは9月頃の緑色のレモンでもグリーンレモンとして利用可能です。もちろん、黄色くなるまで待ってから収穫しても問題ありません。また、翌年の4~5月まで木にならせたまま置いておき、必要な時に収穫するのもOKです。
もしトゲが刺さってしまうと怪我の原因になるので、ガーデニング用の手袋を付けて収穫を行うと良いですよ。
レモンの育て方④:剪定(3月)
必要なもの
・剪定用手袋
・剪定バサミ
・癒合剤
剪定の手順
くりや桃などの落葉果樹は11~2月が剪定適期ですが、レモンやみかんなどの柑橘類の剪定時期は3月ごろです。
柑橘類のように冬になっても葉が青々としている果樹(常緑果樹といいます)は剪定適期が3月ごろなので覚えておきましょう。
剪定する基本的な場所と順番は以下のとおりです。
①樹の広がりを抑えるように何本かの枝をまとめて切る
②交差している枝や、混み合った枝、枯れ枝、下向きになった枝など不要な枝を切る
③残った枝の中の、その年実がついた枝の先端を1/3程度切り詰める
枝は切ったところから枯れ込んだり、病原菌が入ってしまい生長に影響が出てしまう恐れがあります。
それらを予防するために、太い枝を切った場合には、切り口に癒合促進剤を塗るようにしましょう。
レモンの冬の寒さ対策

冒頭でもお伝えしましたが、レモンは寒さに非常に弱い果樹です。耐寒気温は-3℃となっており、下回ってしまうと最悪の場合枯れてしまいます。特に幼木期は寒さに弱いので、防寒対策をしたほうが良いでしょう。
鉢植えの場合、冬の間は部屋で育てるのが基本です。もし何らかの理由で取り込めない場合は寒冷紗を巻きつける、鉢を2重にして隙間に土を入れるなどして防寒する必要があります。
地植えの場合も同じく、地上部には寒冷紗を巻きつけてあげましょう。また、株元にワラを敷いて覆えば根元の防寒になります。
寒さが和らいだら寒冷紗を外し、日光に当てて木を回復させてあげましょう。
レモンの実付きが良くない?そんな時の農家さんのアドバイス
実が付き過ぎているようなら摘果をしよう
もしかしたら前年に実がたくさん付きませんでしたか?もしそうならレモンが隔年結果を起こしている可能性があります。
隔年結果とは、実がたくさんなる年(表年)とならない年(裏年)を交互に繰り返すようになってしまうことです。レモンは他の柑橘類ほどではないですが、隔年結果が起こることがあります。
隔年結果にならないようにするには、8月頃に葉と実の数を数えながら果実を間引く(摘果)必要があります。レモンは葉25枚につき、果実1つになるように間引けば、翌年も果実をつけてくれるでしょう。
肥料の与えすぎは禁物
肥料は植物が育つために必須なのですが、与え過ぎても実が付かない場合があります。以前に違うものを植えていて肥料が残っている場合や、実がならないからといって多めに肥料を撒いてしまった等、土が栄養たっぷりになっている場合によく起こる現象です。
この場合は、肥料をあげないで育ててみましょう。そうすることで、翌年から実がなり始めるでしょう。
まとめ
何か果樹を育ててみたいな…と思っても、あまりにも手間がかかってしまうのは避けたいですよね。
レモンであれば、管理作業が少なく病害虫にも強いので、ほとんで放任していても花や実を付けてくれます。なので、普段仕事や家事で忙しい方にもおすすめです。
ぜひ庭木にして、レモンの木のある生活を楽しんでくださいね。