【日陰に強く広がりにくい!】隣家との境界に植えやすい常緑中低木5選

隣家との境界に常緑中低木を植えたい!

日陰に強く広がらない常緑中低木

 自分の家と隣の家との境界付近、皆さんは何か植えていますか?特に家と家の間の「犬走り」と呼ばれる場所はデッドスペースになりがち。筆者の家の犬走りは完全にデッドスペースですが、殺風景すぎる上に隣家の窓も近いので、何か植えたいな…と考えているところです。とはいえ、犬走りは狭い上に日の当たる時間が短いので、植えられる植物も限られてきますよね。
 そこで今回は、日陰に強くて横に広がりにくい常緑中低木を5種ご紹介していきます。目隠しや日陰の彩りにもなる、筆者も検討中の庭木ですので、一緒にデッドスペースをすてきな空間に変えましょう!

 この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
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目次

  1. 隣家との境界に常緑中低木を植えたい!
  2. 日陰に強く広がりにくい常緑中木「スカイペンシル」
     日陰に強い度★★☆ ローメンテ度★★☆
    1. スカイペンシルのおすすめポイント:コニファーのようなシャープな樹形
    2. 隣家との境界で育てるコツ:枝が込み合ってきたら透かし剪定で病虫害予防
  3. 日陰に強く広がりにくい常緑中木「スカイロケット」
     日陰に強い度★★☆ ローメンテ度★★☆
    1. スカイロケットのおすすめポイント:すらっとした樹形と美しい葉色
    2. 隣家との境界で育てるコツ:毎年春の刈り込みで、サイズをキープ
  4. 日陰に強く広がりにくい常緑低木「ヒメシャリンバイ」
     日陰に強い度★★☆ ローメンテ度★★★
    1. ヒメシャリンバイのおすすめポイント:ピンク色の小ぶりな花と、赤い新芽がかわいい
    2. 隣家との境界で育てるコツ:剪定ほぼ不要!ローメンテで育てやすい
  5. 日陰に強く広がりにくい常緑低木「マホニアコンフューサ(細葉ヒイラギナンテン)」
     日陰に強い度★★★ ローメンテ度★★☆
    1. マホニアコンフューサのおすすめポイント:スタイリッシュな細葉が魅力的
    2. 隣家との境界で育てるコツ:葉がふんわりとした樹形なので早めの剪定を
  6. 日陰に強く広がりにくい常緑低木「アオキ」
     日陰に強い度★★★ ローメンテ度★★★
    1. アオキのおすすめポイント:ダントツで日陰に強く、斑入りの葉と赤い実がおしゃれ
    2. 隣家との境界で育てるコツ:隣家に向かって伸びる枝は早めにカット
  7. 隣家とのトラブルを避けるコツ

日陰に強く広がりにくい常緑中木「スカイペンシル」
 日陰に強い度★★☆ ローメンテ度★★☆

スカイペンシルのおすすめポイント:コニファーのようなシャープな樹形

日陰に強く広がらない常緑中低木:スカイペンシル

 スカイペンシルはその名の通り、空に向かってすっと伸びる鉛筆のような樹形が特徴の常緑樹です。購入時は写真のような細い苗木が多いかと思いますが、成長するとコニファーのような美しい樹形になります。洋風のお庭にもおすすめですよ。
 イヌツゲの仲間なので日陰に強く丈夫で、数年育てれば圧迫感の少ない目隠しにもなってくれる常緑樹です。

隣家との境界で育てるコツ:枝が込み合ってきたら透かし剪定で病虫害予防

日陰に強く広がらない常緑中低木:スカイペンシル

 特にお手入れをしなくても自然と樹形が整い、枝が横に広がらないのがスカイペンシルの嬉しいところ。暑さ寒さにも強いので、寒冷地でも育てることができます。
 しかし、風通しの悪い場所や一日中日が当たらない場所では、病虫害が発生しやすくなってしまうのが欠点。できれば風通しが良く、1日2時間だけでも日が当たる場所が適しています。また、枝が込み合ってきたら透かし剪定をすると病虫害予防になりますよ。

日陰に強く広がりにくい常緑中木「スカイロケット」
 日陰に強い度★★☆ ローメンテ度★★☆

スカイロケットのおすすめポイント:すらっとした樹形と美しい葉色

日陰に強く広がらない常緑中低木:スカイロケット

 スカイロケットはブルーグリーンの葉色が美しいコニファー。葉色は春~秋は白みがかった青緑色、冬には下の写真のようなシルバーに変わり、一年を通して美しい葉色を楽しめます。
 こちらも名前の通り、空に向かうロケットのようにすらっとした樹形が特徴。成長すれば目隠しにもなり、犬走りも洋風でおしゃれな空間にしたいという方にぜひおすすめしたい常緑樹です。

隣家との境界で育てるコツ:毎年春の刈り込みで、サイズをキープ

日陰に強く広がらない常緑中低木:スカイロケット

 暑さ寒さにも病虫害にも強く、放任でも枝が横に広がらずに樹形が整う、とても育てやすい庭木です。
 欠点は、蒸れやすく、蒸れた枝葉が枯れてしまうところ。スカイペンシル同様、できれば風通しが良く、1日2時間だけでも日が当たる場所が適しています。ある程度成長したら、毎年春に形を一回り小さくするように刈り込んでおくと、蒸れにくく、サイズもキープできますよ。
 
 ※スカイロケットはビャクシン属のコニファーです。ビャクシン属は梨の病気の媒介に関与するとされていて、梨栽培をしている地域では栽培を禁止されていることがあります。植える前に地域のHP等をチェックしてくださいね。

日陰に強く広がりにくい常緑低木「ヒメシャリンバイ」
 日陰に強い度★★☆ ローメンテ度★★★

ヒメシャリンバイのおすすめポイント:ピンク色の小ぶりな花と、赤い新芽がかわいい

日陰に強く広がらない常緑中低木:ヒメシャリンバイ

 春に咲くピンク色の小ぶりな花と、赤い新芽がかわいいヒメシャリンバイ。日陰に強く、成長がゆっくりで横にもひろがりにくく、花や新芽も楽しめる。犬走りで育てるためにあるのではないかと思うような、筆者一押しの常緑低木です。
 通常のシャリンバイと比較して、樹高も葉も小さい品種です。自然樹形で楽しむこともできますし、刈り込んで小さな生垣にすることもできますよ。

隣家との境界で育てるコツ:剪定ほぼ不要!ローメンテで育てやすい

日陰に強く広がらない常緑中低木:ヒメシャリンバイ

 できれば風通しが良く、1日2時間だけでも日が当たる場所だと、病虫害も付きにくく、花付きも良くなりますよ。
 剪定はほとんど必要ありませんが、日陰だと枝が間延びしやすいので、伸びた枝が気になったら剪定や刈り込みをしてください。枝が込み合ってきたら透かし剪定をすると、病虫害予防になりますよ。花後すぐに剪定すれば、翌年の花付きに影響しません。
 寒さには弱いので、関東以南で育てることをおすすめします。

日陰に強く広がりにくい常緑低木「マホニアコンフューサ(細葉ヒイラギナンテン)」
 日陰に強い度★★★ ローメンテ度★★☆

マホニアコンフューサのおすすめポイント:スタイリッシュな細葉が魅力的

日陰に強く広がらない常緑中低木:マホニアコンフューサ

 マホニアコンフューサは花が少ない秋に黄色い花を咲かせてくれるありがたい常緑低木です。冬~春先には紫色の実を付けますし、冬には葉の色が赤や黄色に変わり、季節を感じさせてくれます。花や実がない季節でも、スタイリッシュな細い葉をふんわりと広げ、日陰の空間をおしゃれに彩ってくれますよ。
 単体でアクセントとして植えてもおしゃれですし、列植すると存在感が増して、日陰でもリゾート感のある雰囲気になりますよ。和風洋風問わず、どんな雰囲気のお庭にも馴染んでくれる庭木です。

隣家との境界で育てるコツ:葉がふんわりとした樹形なので早めの剪定を

日陰に強く広がらない常緑中低木:マホニアコンフューサ

 葉がふんわりとした樹形なので、自分の家に近づけて植えておくと、隣の敷地にはみ出しにくくなります。成長はゆっくりですが、大きくなってきたら長い枝葉を元から切るように剪定するとコンパクトな樹形を保ちやすくなりますよ。葉が少しチクチクするので、手袋をして剪定した方が良いでしょう。
 1日1~2時間でも日が当たる場所だと、より花付きが良くなります。病虫害に強いのも嬉しいポイント。寒さにはやや弱いので、寒冷地では育ちにくいです。

日陰に強く広がりにくい常緑低木「アオキ」
 日陰に強い度★★★ ローメンテ度★★★

アオキのおすすめポイント:ダントツで日陰に強く、斑入りの葉と赤い実がおしゃれ

日陰に強く広がらない常緑中低木:アオキ

 葉も茎も一年中青々としていることから名付けられたアオキは、今回ご紹介した常緑樹の中でもダントツで日陰に強い「日陰が大好き」な庭木です。
 つやつやの大きな葉が特徴で、様々なタイプの斑入りの品種があります。斑入りの大きな葉は、日陰の空間をぱっと明るくしてくれますよ。
 雄株と雌株をセットで植えると、冬に赤い実も楽しめます。クリスマスやお正月の飾りとしても楽しめますよ。

隣家との境界で育てるコツ:隣家に向かって伸びる枝は早めにカット

日陰に強く広がらない常緑中低木:アオキ

 成長はあまり早くないので、剪定はほとんど必要ありません。葉が大きく圧迫感が出やすいので、自分の家に近づけて植え、隣家に向かって伸びる枝を早めに切っておくと管理しやすいです。枝が込み合ってきたら透かし剪定をすると、病虫害予防になりますよ。剪定は真夏と真冬以外ならいつでも大丈夫です。
 暑さ寒さに強く、暖地でも寒冷地でも育てられます。強い日差しが苦手なので、なるべく日の当たる時間が短い場所が適しています。

隣家とのトラブルを避けるコツ

日陰に強く広がらない常緑中低木

 犬走りに植えてみたい庭木が見つかっても、やっぱり隣家とのトラブルが心配、という方もいらっしゃるかと思います。そこで最後に、隣家とのトラブルをなるべく避けるためのお手入れのコツをお話しします。
 ・時々庭木を観察して、お隣にお邪魔しそうな枝があったら早めに剪定しておく。
 ・植えるときはなるべく自分の家に近づけて植える。
 ・こまめに落ち葉や花がらを掃除しておく。
もちろん、お隣さんと日頃から良い関係を築いておくのも大切です。
殺風景な犬走りが素敵な空間に生まれ変わるように、一緒にチャレンジしてみませんか?

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この記事のライター

minikiro

樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。

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