【春におしゃれな花が咲く】おすすめの庭木10選~小さなお庭でも安心な低木・中木の庭木~
わくわくする花の季節がやってきました!

新学期が始まり、春爛漫の季節ですね。新生活も軌道に乗り始め、何か新しいことを始めたい!ガーデニングをしたい!と思っている方も多いのではないでしょうか。
「春におしゃれな花が咲く木をお庭に植えたい!」
「あまり大きくならない、育てやすい種類がいいな」
と、思ってはいるものの、どんな木を選んだらいいのかわからない…という方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、春におしゃれな花が咲き、あまり大きくならず育てやすい、おすすめの庭木10種類をご紹介します。育て方のポイントも簡単にご紹介するので、気になる種類が見つかった方は参考にしてくださいね。お庭ですてきな花を咲かせた様子を想像しながら選んでみてください。
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目次
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わくわくする花の季節がやってきました!
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低木・中木の庭木ってどのくらい大きくなるの?
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ①ミツマタ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ②ジンチョウゲ【常緑低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ③ヒュウガミズキ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ④ユキヤナギ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑤ドウダンツツジ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑥ヤマブキ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑦シロヤマブキ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑧コデマリ【落葉低木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑨トキワマンサク【常緑中木】
- 春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑩ハナカイドウ(別名:カイドウ)【落葉中木】
- これだけ守れば大丈夫!お花を楽しむための剪定時期
- 花を楽しむための肥料の使い方
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花が咲くと虫が来る?
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さいごに
低木・中木の庭木ってどのくらい大きくなるの?
低木や中木の庭木はあまり大きくならないと聞くけれど、実際成長したらどれくらいの大きさになるのか、気になりますよね。
低木は、成長しても1~2mくらいにしかならない種類なので、脚立や梯子を使わなくても剪定や刈り込みなどのお手入れが出来るのでとっても楽です。小さなお庭や鉢植えでも楽しめますよ。
中木は、放任で成長させると3~5mくらいになる種類ですが、大きくなりすぎないように剪定をすれば2~3mくらいに保つことができます。
植える場所が狭い、あまり手間をかけずに育てたい、という方は低木を選ぶと安心です。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ①ミツマタ【落葉低木】
ミツマタの特徴:黄色いボンボンみたいな花がかわいい!

春の初めのころ、葉が出るよりも前に枝先に小さな黄色い花が丸く集まって咲きます。枝先に黄色いボンボンが付いているようでとてもかわいらしく、花からは甘い香りがしますよ。名前の由来は、枝が3つに分かれるから。見分けやすく、覚えやすい種類ですね。
庭木としてだけでなく、切り花としても楽しめる種類です。和風や和モダンだけでなく、雑木風の自然な雰囲気のお庭にもおすすめですよ。
花を楽しむための育て方:半日陰が好き、丈夫で手がかからない庭木
日向でも日陰でも育ちますが、直射日光は苦手です。可能であれば半日陰くらいの場所に植えてあげてください。
病害虫に強く丈夫で、剪定をしなくても自然と樹形が整うのでお手入れもあまり必要なく、庭木として育てやすい種類です。大きくなってきたと感じたら伸びた枝や込み合っている枝を間引いてくださいね。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ②ジンチョウゲ【常緑低木】
ジンチョウゲの特徴:肉厚の花びらでとにかくいい香り

早春のまだ寒さが残る時期に、淡いピンク色の肉厚で小さな花が枝先にまとまって咲きます。三大香花の一つであるこの花が咲くと甘い香りが漂い、お庭が春の香りに包まれますよ。常緑樹で、葉も肉厚で濃い緑色なので、お庭が寂しくなりがちな冬にもアクセントになってくれる庭木です。白い花が咲く品種もありますよ。
和風や和モダン、雑木風の自然な雰囲気のお庭によく合います。
花を楽しむための育て方:半日陰が好き、自然と樹形が整うのでローメンテ
半日陰で良く育ちますが、植替えや移植が苦手な庭木なので、初めに植える場所は慎重に決めてあげてください。根が少なく倒れやすいので、支柱を付けると安心です。
成長が遅く、自然と樹形が整うので、剪定はほとんど必要ありません。寒さに弱いので、霜の降りる地域では冬に寒冷紗などを巻いてくださいね。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ③ヒュウガミズキ【落葉低木】
ヒュウガミズキの特徴:素朴で優しい、淡い黄色の花

早春、葉が出るよりも先に小さな淡黄色の花を株いっぱいに咲かせます。この趣のある花は生け花の材料としても人気です。花の後に出る新芽は初めは赤く、時間がたつと明るい緑色になり、赤と緑のコントラストを楽しめますよ。
素朴で優しい雰囲気なので、和風や和モダン、雑木風のお庭に良く合う庭木です。刈り込みもできる種類なので、数本列植して低い生垣を造るのもおすすめです。
花を楽しむための育て方:病虫害に強く、お手入れが簡単
病虫害に強く、お手入れが簡単です。自然な樹形を楽しむ場合は、大きくなってきたと感じた時に、長い枝を元から切って透かすように剪定するだけで十分です。生垣などで形を整えておきたい場合は、年に一度刈り込んでおくとお好みの大きさや形がキープできますよ。
蒸れると病気が発生することがあるので、風通しの良い場所に植えてくださいね。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ④ユキヤナギ【落葉低木】
ユキヤナギの特徴:株いっぱいに咲く真っ白な花、秋の紅葉もきれい

春の初め、雪のような白く可憐な小花を、柳のようにしなやかに枝垂れた枝いっぱいに咲かせます。近くで見るとかわいらしい花と小さな黄緑色の葉とのコントラストが楽しめ、遠くから見ると雪が積もっているように見えてとてもきれい。数本列植して刈り込んで、低い生垣にすることもできます。
庭木としてだけでなく切り花としても人気がある種類ですよ。秋には葉が赤みを帯びたオレンジ色に変わり、季節の変化を楽しめる庭木です。おしゃれで柔らかな雰囲気なので、どんな雰囲気のお庭にも馴染みますよ。
花を楽しむための育て方:丈夫で元気いっぱい育つので年に1回はお手入れを
暑さ寒さに強く、とても丈夫で育てやすい種類です。樹高が高くなるわけではありませんが、根元から勢いよく枝を伸ばして大きな株になっていく元気の良い植物なので、年に1回はお手入れが必要です。
自然な樹形を楽しむ場合は、勢いよく伸びた枝や元気のない枝を元から切って枝の数を半分くらいにし、透かすように剪定してください。刈り込む場合は理想のサイズより少し小さめに刈り込んでおきましょう。もし大きくなりすぎてしまったら、花の後に根元付近で枝を全部切っても大丈夫。また元気に伸びてきて翌年も花を咲かせてくれますよ。
蒸れると病虫害が発生しやすくなるので、風通しの良い場所に植えてくださいね。日当たりが良いと花付きも秋の紅葉の発色も良くなります。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑤ドウダンツツジ【落葉低木】
ドウダンツツジの特徴:スズランに似た可憐な花、秋の真っ赤な紅葉も美しい

ツツジの仲間の中では比較的早い時期に花を咲かせるドウダンツツジ。スズランに似た白く小さなつぼ型の花を下向きに咲かせます。このおしゃれで可憐な花は、庭木だけでなく切り花としても楽しめますよ。
刈り込みに強いので、丸い形に仕立てたり、数本列植して低い生垣を造ったりして楽しむのもおすすめです。
秋には葉が真っ赤に紅葉する様子も美しく、季節の変化を楽しめる種類です。どんな雰囲気のお庭にも合わせやすい、優しい雰囲気の庭木です。
花を楽しむための育て方:丈夫でローメンテ!刈り込みでも楽しめる
暑さ寒さにも病虫害にも強く、成長も遅いので手がかからずとても育てやすい種類です。自然な樹形を楽しむ場合は、数年に一度、大きくなってきたと感じた時に、お好みの大きさに切り戻すように剪定するだけで十分です。刈り込みで仕立てたい場合は、年に1回刈り込みをすると葉が密生してきれいな形になりますよ。
日当たりの良い場所に植えると花付きがよく、秋の紅葉の発色もよくなります。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑥ヤマブキ【落葉低木】
ヤマブキの特徴:山吹色の鮮やかな花が魅力的

「やまぶきいろ」の色名の由来でもあるこの花は、鮮やかな山吹色の花を、しなやかな細い枝にたくさん咲かせます。明るい緑色の葉とのコントラストもきれいで、お庭を鮮やかに彩ってくれますよ。
八重咲や葉にクリーム色の斑が入る種類もあり、様々な雰囲気のお庭に合わせやすい庭木です。お好みの種類を選んでくださいね。
花を楽しむための育て方:日本の自生種なので丈夫でローメンテ、乾燥に注意
日本各地に自生している種類なので、とても丈夫で育てやすいです。暑さ寒さにも病虫害にも強いですが乾燥に弱いので、水切れを起こさないように半日陰に植えると安心です。
剪定もあまり必要ありませんが、古い枝や元気のない枝を見つけたら、元から切っておくと良いでしょう。大きくなってきたと感じたら、長い枝を元から切って透かすように剪定してくださいね。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑦シロヤマブキ【落葉低木】
シロヤマブキの特徴:ヤマブキに似た上品な白い花

春の終わりごろ、ヤマブキによく似た白くて上品な花を咲かせます。秋には花の後に4つの小さな黒い実が集まって付く様子も楽しめますよ。
ヤマブキに似ていることからこの名前が付けられましたが、ヤマブキとは違う種類で、シロヤマブキは花びらが4枚、ヤマブキは5枚です。よく見ると、葉の付き方も違いますよ。
上品でおしゃれな雰囲気なので、洋風や雑木風、和モダンのお庭におすすめの種類です。
花を楽しむための育て方:丈夫で育てやすい、乾燥だけ注意
ヤマブキ同様、暑さ寒さにも病虫害にも強く、育てやすい種類です。しかし、シロヤマブキも乾燥に弱いので水切れを起こさないように注意してください。半日陰に植えると安心ですよ。
古い枝には花が付きにくくなるので、1~2年に1回、古い枝や元気のない枝を元から切って、新しい枝を伸ばしましょう。大きくなってきたと感じたら、長い枝を元から切って透かすように剪定してくださいね。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑧コデマリ【落葉低木】
コデマリの特徴:白い小さな手毬のような花がかわいい

気温が上がって春真っ盛りの時期、名前の通り小さい手毬のような白くてかわいらしい花を、細くしなやかな枝いっぱいに咲かせます。花の重みで枝垂れた枝が風に揺れる様子は風情があり、江戸時代初期から日本でたくさんの人に愛されてきた庭木です。
和風にも洋風にも自然となじむので、どんなお庭にも合わせやすいですよ。
花を楽しむための育て方:丈夫で元気に大きくなるので年1回は剪定を
暑さ寒さに強く、とても丈夫で育てやすい種類です。根元からどんどん新しい枝を出して大きな株立ちになるので、年に1回長く伸びた枝や元気のない枝を根元から切って透かすように剪定します。
蒸れると病虫害が発生しやすいので、風通しの良い場所で育ててください。日向に植えると花付きが良くなりますよ。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑨トキワマンサク【常緑中木】
トキワマンサクの特徴:細い花びらと小ぶりな葉がおしゃれ

春真っ盛りの暖かい時期に、細いひらひらした花びらをつけた花を枝いっぱいに咲かせ、遠くからもよく目立ちます。常緑の小ぶりな葉もおしゃれで、花のない季節もお庭のアクセントになりますよ。刈り込みに強いので、生垣としてもよく使われる庭木です。
青葉白花、青葉赤花、赤葉赤花の3つの品種があるので、お庭の雰囲気や好みに合わせて選べるのも嬉しいですね。写真のトキワマンサクは青葉赤花のものです。
花を楽しむための育て方:丈夫で育てやすく、お手入れも簡単
病虫害に強く、丈夫で育てやすい種類です。最終樹高が4mほどになる中木で成長は少し早めですが、枝のどの部分で切っても切り口の近くから新芽を出してくれるのでお手入れは簡単ですよ。年に1回程度、お好みの大きさに刈り込みか剪定をしてください。
日当たりの良い場所に植えると花付きが良くなりますよ。
春におしゃれな花が咲く庭木 おすすめ⑩ハナカイドウ(別名:カイドウ)【落葉中木】
ハナカイドウの特徴:花木の中でも特に美しいとされるピンクのかわいい花

新緑の季節に、ピンク色のかわいらしい花が木を覆うように咲くハナカイドウ。濃いピンク色のつぼみと淡いピンク色の花、黄緑色の新葉が混ざり合う様子がとても美しく、お庭がぱっと明るくなりますよ。
原産地である中国では花木の中で一番美しいとされ、美人の代名詞として使われるほど。日本でも昔からファンが多く、庭木や盆栽として大人気の種類です。
明るくかわいらしい雰囲気で、和風だけでなく洋風のお庭にも良く合いますよ。
花を楽しむための育て方:成長はゆっくり、アブラムシに注意
最終樹高は5mほどですが成長はそれほど早くありません。1~2年に1回程度、大きくなってきたと感じたら、お好みの大きさまで切り戻すように剪定をしてください。
日当たりと風通しの良い場所に植えると花付きが良く、病気の発生も防げますよ。葉にアブラムシなどの害虫が付くことがあるので、見つけたら早めに市販の殺虫剤(ベニカXファインスプレー等)で対処してください。
これだけ守れば大丈夫!お花を楽しむための剪定時期
前年伸びた枝を切り戻す程度なら、花が終わった直後に
少しボリュームが出てきてしまった庭木を切り戻したいけれど、いつ作業すればいいの?と迷っている方、花を楽しみたい庭木の剪定や刈り込みは、花が終わった直後がおすすめです。
植物には、花芽(来シーズンのお花になる部分)が作られる時期があります。この花芽が作られた後に枝を切ると花芽も切ることになり、その後咲く花の数が少なくなってしまいます。花芽が作られる時期は植物によって違うので、花が終わった直後に剪定や刈り込みをする、と覚えておけば安心ですよ。
強剪定や強めの刈り込みをしたい時は、適した時期に
もし、強剪定や強めの刈り込みをしたい時は、落葉樹は冬の葉がない季節、常緑樹は春か秋に作業すると庭木へのダメージが抑えられます。ただし、この作業をした次のシーズンは花が少なくなってしまいます。枯れるよりはマシと思って、我慢してくださいね。
花を楽しみたい庭木は、できれば強剪定や強めの刈り込みをしなくてもいいように、庭木の成長に合わせて1~2年に一度、軽めのお手入れをしておくと毎年花を楽しめますよ。
今回ご紹介したユキヤナギは例外です。丈夫な種類なので、花が終わった直後に根元付近で枝を全部切っても、夏の間に元気に枝を伸ばして翌年も花を咲かせてくれますよ。
花を楽しむための肥料の使い方
肥料を与えるタイミングも花の後
今回ご紹介した庭木は、肥料を与えなくても育つものばかりです。それでも、花の数が少ない気がするときや、もっとたくさん花を咲かせたい、というときは肥料を与えてみましょう。肥料を与えるタイミングも剪定や刈り込みと同じ、花が終わった後がおすすめです。「きれいな花を咲かせてくれてありがとう、来年もよろしくね」という気持ちを込めて、肥料をあげましょう。
肥料の選び方
市販の肥料には「N:P:K=〇:〇:〇」という表示があります。これは、N(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)がどんな割合で含まれている肥料なのかを表しています。花を咲かせるのに必要な栄養素はP(リン酸)なので、この比率が高いものを選んでください。
また、肥料には固形のものと液体のもの、即効性のものと遅効性のものがあります。庭木には固形で遅効性のものが適しています。どんな肥料にも適切な量や撒き方が表記されているので、必ずそれを守って使ってくださいね。
花が咲くと虫が来る?

お庭に花が咲く木を植えると虫が来るのではないか…ということを心配している方もいらっしゃるかもしれません。花が咲くとアリや蝶、ハチなどが蜜を吸いにやって来ることがありますが、花や葉を食べられることはありません。ハチが来るとびっくりするかもしれませんが、こちらから攻撃しなければ攻撃されることはありませんよ。虫たちと一緒に花を楽しむつもりで見守ってくださいね。
今回ご紹介した庭木の中には蝶や蛾の幼虫が付きやすい種類や、危険な害虫が付きやすい種類はないので、安心してください。
さいごに
お庭で楽しみたい庭木は見つかりましたか?
小さなシンボルツリーにも、お庭のアクセントにもなる、お花がおしゃれな中低木。リモートワークが定着し始めた方やおうち時間が長くなった方もいらっしゃるこの時代、お庭で季節を楽しむことが出来ると、生活が楽しくなりますよ。お仕事や家事、子育ての合間、お休みの日などにお庭の植物を眺めながらコーヒーを飲む…そんな時間も贅沢ですよね。
ぜひ、植物との生活を楽しみましょう!
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。