家の裏側やちょっとした目隠しに!
とってもローメンテナンスなカクレミノとは
とにかくローメンテナンスなカクレミノ

カクレミノ、みなさんはご存知でしょうか。
わが家のカクレミノは、希望して植栽した訳ではなかったのですが、「これぞローメンテナンス!」という位に手がかかりません。
他の植物達に手をかける中で放っておいたカクレミノは、家の裏側で徐々に成長し、ご近所との目隠しの役割を果たすまでになりました。
また、葉が入れ替わる時期の色の楽しさや落葉後の掃除も楽でローメンテナンスなのです。
これまで全く手をかけてこなかったのが申し訳ないくらいです。
そこで、家の裏側で大活躍してくれてローメンテナンスなカクレミノのことを、みなさんにもっと知って頂いて、お庭の裏側などに是非取り入れて頂きたいと思っています。
この記事は、お忙しい方のために
目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか
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目次
カクレミノとは

基本情報
属性:ウコギ科の常緑樹
栽培可能地域:関東南部から沖縄
日照条件:半日陰~日陰
高さ:2~8m
性質:ローメンテナンス、寒さに弱い
主役の座は譲り、控えめに役割をコツコツこなすカクレミノ
家の裏側で生き生き

カクレミノの日照条件は、半日陰~日陰です。
明るいお庭で主役を張るようなメジャーな木とは正反対の環境が大好きなのです。

わが家のカクレミノも、西側のお隣との間の半日陰の場所で悠々と育っています。
植栽時が2m弱でしたが、9年で5.5mにまで成長しました。
2階窓から覗いた時、カクレミノのトップが筆者の目線と同じ高さ位で、西日を少し遮ってくれている感じです。
わが家は、西日を遮る目的でカクレミノをあえて大きく育てているので、剪定は積極的に行っていません。
しかし、大きくなり過ぎたら心配という方もいらっしゃるでしょう。
カクレミノの剪定時期は6~7月になり、重なった枝を間引く透かし剪定は、枝元からカットするだけなので初心者の方でも出来ると思います。
しかし、カクレミノのように伸びた枝の先に葉が付くタイプの木を小さくする為の剪定は、剪定のバランスが難しくやや難易度が高いです。
ただ、カクレミノは剪定時期さえ間違わなければ、バッサリと枝を切ってしまっても新しい芽が生えてきますので、樹形を整える感じでトライしてみましょう。
剪定してみて、分かる事もあります。
植栽時にどういう目的で植えるのかを考えることも大切です。
コンパクトにまとめたい場合には、初めから低めの場所で剪定をしましょう。
さらに、数年に一度で良いので、枝を切り詰めることでコンパクトな樹形をキープすることができますよ。
ローメンテナンス

お庭にある他の木の落葉後の清掃、水撒き、剪定などに追われている間も、トラブルなく成長しているのがカクレミノです。
同じように家の裏側にある常緑樹モッコクなどは、季節を問わず落葉があったりハマキ虫の発生などで見た目が悪くなるのですが、カクレミノは葉が密にならないので風通しが良く害虫の心配がありません。
カクレミノをコンパクトに収めたい場合は別ですが、剪定する必要がないという感じでしょうか。
わが家のカクレミノは、この9年で重なった枝を数本、枝元から剪定しただけです。

新芽の時期に古い葉は落葉します。
カクレミノの葉は大きく、同じ大きさの木と比べても葉の数が少ないので、落葉の清掃も掃くというより拾うという感じで直ぐに終わります。
大きな葉で目隠し

カクレミノは、お隣との間の日陰の場所や北側のお庭などが適地です。
お家の間取りとして、そういった場所にくるのは、サニタリーやワークスペースなどのプライバシーを守りながらも快適に過ごしたい空間が多いですよね。
そんな空間の窓の外にカクレミノがあったらどうでしょう。

カクレミノは大きな葉で目隠しをしてくれるので、状況に応じて、カーテンやロールスクリーンなどを完全に閉じたままでなくても良いのです。
解放感がありながら、緑に癒される日常は理想ですよね。
忙しい現代人にとっては静かなお庭というのは、心を和ませてくれる作用もあります。
窓の外のカクレミノに、そっと癒されてみませんか。
年に一度の2色になる時期

カクレミノは、春の新芽の時期に世代交代するように古い葉が落葉し始めます。
落葉する古い葉は、葉の色が緑色から黄色に変化するのですが、直ぐには落葉しないので、しばらく緑色と黄色の葉が交わる時期があります。
カクレミノのように、葉の色が代わり2色展開する時期がある木というのは珍しいですよね。

初めて見た時は何が起こったのか分からず戸惑いましたが、色の変化で役目を終える時期が来たのだと分かりやすいのも良いところです。

ちなみに、時間が経過して茶色みを帯びてきた黄色い葉になってくると、軽く引っ張るだけで気持ち良いくらいに枝元からパキッと取れます。
元々、落葉後の清掃は簡単なカクレミノですが、それでも面倒だと思われる方にはオススメな方法ですよ。
災いを跳ね除けてくれる

カクレミノの葉は、昔から神事でのお供え物の器として使われてきたようです。
その様なことから、縁起が良いという言う伝えがある木になります。
また、民話での隠れ蓑(カクレミノ)は、天狗が着ると姿が見えなくなる蓑という設定になっています。
姿が見えなくなるというのを、災いから逃れられるという意味合いで「厄災から身を隠す」と言ういわれになっているようです。

さらに、縁起の良いものを集めた吉祥文様と呼ばれる、着物などに使われる模様がありますが、その中に隠れ蓑があります。
どの模様も、お祝いの席などで着る宝尽くし紋と言われる高価なものばかりです。
そんな高価で貴重なものの中の一つとして、隠れ蓑は選ばれているのです。
七五三や成人式で着られた着物柄の中に、隠れ蓑が描かれているかもしれませんよ。
形を変えて成長していくカクレミノの葉

カクレミノは、幼枝と成枝の違いで葉の形が変わる、ユニークな木です。
樹高が低い時期に出てくる幼枝のカクレミノの葉は大きく、葉の切れ込みが3つから5つと深く入り、葉の先が尖っています。

そこから少しずつカクレミノが成長し大きくなると、低い所に生えている幼枝の上に若枝が出てくる事になります。
若枝が伸びて先端に付く葉は、幼枝の葉と比べて葉の切れ込みが浅くなっていき、葉の先端も丸みを帯びてきます。

さらに大きくなると、カクレミノの上部の葉は小さめになり、形は長楕円形に変わっていき切れ込みが無くなります。
カクレミノを全体で見た時に、下の方から伸びている枝は幼枝の時からあるので、葉の切れ込みが深く先端が尖っているのに対し、上の方になると切れ込みが無くなり葉の先端も丸くなり長楕円形になるのです。

そして、花を咲かせ実ができるという感じですが、この花を咲かせて実がなるというまでにいくには、環境などの条件で変わってくるようです。
9年目のわが家でも、花と実は付けたことがありません。

なぜ、カクレミノが成長と共に葉の形が変化していくのかと言うと、半日陰から日陰という少ない日差しで育つという事が関係しています。
植物は、光が届かない場所にある葉ほど、葉の面積を大きくしたり他の葉と重ならないように葉柄を伸ばすなどして、光合成をしようとします。
カクレミノの下の方の葉が大きいのも、そのような理由があるのです。
では、どうして切れ込みが入るのか?
大きな葉同士でいると、自分の影で他の葉が光を得ることが難しくなったり自分自身が光合成が出来なくなってしまいます。
そこで、葉に切れ込みを入れることで、少しでも他の葉に光を届けられるように自らの形を変えているのです。

少ない日差しの中で、カクレミノの葉同士のお互いを思いやる気持ちが、葉の形を変えるというユニークな現象の理由なのです。
少しでもみんなで日差しを分け合いたいというカクレミノの葉同士の優しい気持ち、素敵ですよね。
ローメンテナンスなカクレミノで、上手に目隠しをしましょう

自宅の裏側などで、控えめながらしっかりと目隠しの役割を果たしつつローメンテナンスなカクレミノをご紹介してきました。
色の変化で落葉の時期が分かったり、緑色と黄色のコントラストも美しいです。
さらに、成長と共に葉の形を変えるというユニークさも兼ね備えています。
コロナ禍で先の見通しが分からない今だからこそ、「厄災から身を隠す」というカクレミノをご自宅のお庭に迎えてみませんか。
この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡