もう迷わない!庭木に使えるビバーナム6選!
ビバーナム?ガマズミ?混乱している頭を整理しましょう

紫陽花のような小さな集合花が可愛らしいビバーナム。
園芸店やホームセンターの園芸コーナーに行くと、似たような見た目なのに「ビバーナム」「常緑ガマズミ」「オオデマリ」などと名札が色々とあり、購入するのをためらってしまう事があります。
そこで、ビバーナムの定義や種類を一度整理して、みなさんが理想のビバーナムに出会えるお手伝いが出来ればと思います。
比較的、購入しやすいビバーナム6選も合わせてご紹介いたしますので、ご参考になれば幸いです。
この記事は、お忙しい方のために
目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか
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目次
ビバーナムを選ぶ時のポイント
多岐に渡る種類の特徴を知ろう

レンプクソウ科ガマズミ属になるビバーナム。
ビバーナムは学名、ガマズミは和名になります。
ビバーナムは変異種なども多く種類は多岐に渡り、日本の山野にみられるガマズミやオオデマリなどもビバーナムに含まれます。
一般的に、単にビバーナムと言った場合は、外国産種のティヌスやダビディー、カールセファーラムの3種を指すことが多いようです。
名札で混乱しがち

園芸店を覗くと、「ビバーナム」という名札だけで、ティヌスやダビディー、カールセファーラムとまでは明記されていない名札も見かけます。
3種の特徴を事前に学び、購入前に園芸店で希望する種類を尋ねてみるのが良いでしょう。

逆に、日本の山野に見られるビバーナムであるガマズミやオオデマリは、ビバーナムという明記がないものが多く、「ガマズミ」「オオデマリ」という名札が多いようです。
筆者宅には常緑ガマズミとピンクオオデマリが植栽されているのですが、今回の記事を執筆するまでどちらもビバーナムだと知りませんでした。
新築時に「常緑ガマズミ」と説明され、「ピンクオオデマリ」という名札で自分で購入し植栽したからです。
さらに、和名の常緑ガマズミは、ビバーナムティヌスの事を指すという事実まで判明しました。
しかし、日本の山野にみられるガマズミとは全く別物らしいのです。
店員さんによっても認識が違ったので、名札を付ける時点で購入者にとって選びやすい優しい明記があると有難いですよね。
流通しているビバーナムを選んでみよう
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ビバーナムの名札を見て混乱しがちですが、全ての種類を把握する必要はないのでご安心くださいね。
流通しているビバーナムは限られているからです。
ビバーナムがうまく育たなければ、そこでは何も育たないと言われるほど、ビバーナムは丈夫で使い勝手の良い低木です。
流通しているビバーナムは、その育てやすさにプラスして様々な魅力がある種類になっています。
みなさんがお庭に迎えたいと思えるビバーナムがきっとみつかるはずです。
ビバーナムと言えば、この3種
コンパクトな常緑ビバーナム:ダビディ

ダビディは、常緑の低木ビバーナムになります。
白い散房花序がちらほらと咲きますが、あまり目立たず、どちらかと言うと、その後に付く実が赤からコバルトブルーになり観賞価値があります。
樹高は80cm以下と小型で、手がかからず樹形が自然に整います。
ダビディは、庭木・寄せ植え・グランドカバー・根じめという様々な活用方法があり、扱いやすいビバーナムと言えるでしょう。
シェードガーデンでも育ちますが、花数は少なめになります。
大きく伸び伸びと育つ常緑ビバーナム:ティヌス

常緑ガマズミという和名でも流通しているのが、常緑ビバーナム・ティヌスになります。
ダビディに似て白い散房花序をたくさん咲かせ、切花としてフラワーアレンジメントでも人気の種類です。

花後に付くコバルトブルーの実も魅力的です。

ティヌスの樹高は2~3mになりますが、刈り込みに強いので高さのコントロールは可能です。
自然樹形で放任OKという記載もありますが、横に少しづつ広がっていくので、次第に大きくはなっていきます。
思い出した時で良いのですが、剪定した方が綺麗な樹形は保てる気がします。
常緑なので生垣や目隠しに向いているでしょう。
香りがする落葉ビバーナム:カールセファーラム

晩春に甘い芳香を漂わせてくれる落葉ビバーナム・カールセファーラム。
香りだけでなく、4月頃にピンクの蕾から大輪の白花を咲かせて、私達の嗅覚と視覚を楽しませてくれる種類になります。
白い小花の周りにピンクの蕾が付く様子は、甘いスイーツを連想してしまう可愛らしさがあります。

カールセファーラムは樹高3mになりますが、高さのコントロールは可能です。
カールセファーラムの芳香と大輪の白花という特徴を生かして、玄関アプローチなどに取り入れると楽しめるでしょう。
他の花との色や形の対比などで、上級者っぽい雰囲気が出せそうですよね。
その他の種類
ガクアジサイのような花が咲く落葉ビバーナム:ヤブデマリ

ヤブデマリの特徴は、何と言ってもガクアジサイのような可愛らしい花を咲かせるという特徴がある事です。
ガクアジサイのような清楚で可愛らしい白花は、しっとりとした和風庭園と相性が良いです。
また、冬にかけての紅葉が早いので、花と葉の両方の彩りを長い期間楽しむことが出来るでしょう。

樹高は2~4mで、枝の張り出しが大きく樹形は乱れやすくなっているので、定期的な剪定が必要です。
ヤブデマリも刈り込みに強いので、樹高のコントロールは可能です。
花期に垂れ下がる姿が美しい落葉ビバーナム:スノーボール

落葉ビバーナムになるスノーボールですが、「スノーボール」という名札で流通しているようです。
スノーボールは和名、別名でテマリカンボクとも呼ばれています。
園芸屋さんに尋ねると、テマリカンボクという名札で入荷してくる事は、ほぼ無いそうです。

スノーボールは、日本の自生種であるオオデマリにかなり似ています。
しかし、スノーボールの特徴として、枝が細くて大きな花を支えることが出来ないので、花が咲き進むに連れて次第にうつむいて咲きます。
樹高は1.5mと低く、樹形もコンパクトに作ることが出来ます。
花期に垂れ下がる姿が美しいスノーボールなので、それなりに高さがあった方が風に揺れるスノーボール本来の美しい姿を観賞できるでしょう。
日本自生種
伸び伸びと枝を伸ばす落葉ビバーナム:オオデマリ

「オオデマリ」という名札で流通している落葉ビバーナム・オオデマリ。
ヤブデマリの変種ですが、花はヤブデマリのようなガクアジサイ風ではありません。
一般的なアジサイを小型にしたような、純白の集合花を手まり状に咲かせます。

最近は美しいピンクや淡いピンク、濃いローズピンクの新品種なども見かけるようになりました。
筆者宅のピンクオオデマリは、ライム→白→淡いピンクと色の変化が魅力的です。
4月下旬の時点ですが、白から淡いピンクへ変化する様子を楽しんでいる最中です。

オオデマリは冬にかけての紅葉も美しいので、芽吹きから紅葉にかけての長期間、楽しむことが出来ます。
葉が大きい分、落葉後の落ち葉の掃除も苦ではありませんよ。

樹高は3~4mで樹勢が強いです。
枝を真横に広く張りだすので、開放的な空間で生き生きさせると、オオデマリの本来の美しさが見られるでしょう。
青空と白やピンク色の対比が爽やかで美しいですよね。
寒さには若干弱いので、庭植えは関東以南が適します。

また、オオデマリと聞いてコデマリを思い出す方もいらっしゃると思います。
オオデマリのように集合花ではあるのですが、画像のように小さな集合花が曲線を描くように垂れ下がる姿が素敵なことで有名ですよね。
大と小の違いで同じ仲間かな?と勘違いしやすいのですが、コデマリはバラ科のシモツケ属になります。
全く違う種類になるのです。
ちょっとややこしいですよね。

しかし、よく見ると、花の形や樹形、葉の形などが違います。
コデマリは、1つ1つの花は花径1cmに満たない白い5弁花で、 これが15輪から20輪集まって丸い集合花を作ります。5弁花の中央が黄色いのもオオデマリとの違いです。
葉はオオデマリと比べて柔らかく形は長い楕円形で、枝に対して互い違いに生えています。
コデマリの開花がピークを迎えるころに、オオデマリが咲き始める感じでしょうか。
見慣れてくれば全く違う植物だと認識しやすいんですよ。
お気に入りのビバーナムでお庭を魅力アップさせましょう!

ビバーナムについて、頭の整理が出来たでしょうか。
ご紹介したビバーナムの中から、お気に入りを見つけて頂けたら嬉しいです。
もともと日本にはビバーナムの自生種が多いので、栽培環境は合っています。どれも強健で土質を選ぶ事なく、半日陰でも丈夫に育つ品種もありましたね。
ビバーナムは、アジサイに似た装飾花、宝石のような美しい果実、芳香を放つ品種があるなど、お庭を楽しむ魅力にあふれています。
みなさんは、お庭のどこにビバーナムを植えたいですか。
この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡