植えてはいけない?ミモザの育て方徹底解説
ミモザは植えてはいけない?これ、本当?ウソ?

「ミモザは植えてはいけない」
「ミモザ」で検索すると、何度か見かけたことがあるのではないでしょうか?
これは、間違った情報です。
ミモザは適切な管理をおこなえば、お庭を彩る美しい花を楽しむことができます。
そこで、この記事ではミモザの育て方に関する誤解を解き正しい管理方法を紹介します。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
ミモザは植えてはいけない訳じゃない!

ミモザは、「植えてはいけない」というより「育てるなら少し手間がかかる」「庭木管理に慣れない初心者の方だと育てづらく感じてしまう」というほうが正しいかもしれません。
要は、ほったらかしではなく少し手間をかけてあげて下さいということです。
手間をかければミモザへの愛情もわきます。
愛情がわけば、初めは大変だと思っていた手間も「大切な時間」へ変わるのです。
そうなると、お庭を彩ってくれるミモザを見た時の感動も一層高まりますよ。
では、ミモザに関する誤解をみていきましょう。
ミモザは大きくなりすぎる

ミモザは、確かに成長がはやく大きくなる傾向があります。
放っておくと5〜10mまで成長するので、2階建ての家よりも高くなるわけです。
しかし、適切な剪定を行うことで大きくなるのを抑えることができます。
これは、ミモザに限った話ではなく、大きくなりやすい庭木をお庭に迎えた場合には必要になってくる管理です。
ミモザは、剪定を定期的に行い枝や葉のバランスを保つことで、ちょうど良い高さの美しいミモザを観賞することができます。
ミモザは倒れやすい、折れやすい

ミモザの枝は、柔らかい特徴があります。
それゆえに、開花時の風にそよぐミモザの姿は私たちを魅了するのです。
逆に、そんな柔らかい枝を持つため、どうしても風や雨で倒れやすくなります。
ミモザをお庭にお迎えするときには、ミモザに適切な支柱を設置することで倒れるリスクを軽減することができます。
また、根の張り方や植え付ける場所に配慮することで、多少の雨風でも倒れにくくすることが可能です。
剪定が難しい

「剪定が難しい」に関しては、ミモザに限ったことではないかもしれません。
庭木管理では、剪定に悩む方が多いからです。
柔らかい枝を持つミモザを目の前にしたときに、戸惑ってしまう方は多いでしょう。
しかし、ミモザの剪定のコツを学べば「意外と簡単だった!」と思えますよ。

また、ミモザにはさまざまな品種があることをご存じでしょうか。
品種によってはコンパクトサイズもあります。
みなさんのお庭のサイズや景観に合わせてミモザを選ぶことで、剪定問題は軽く解消されるでしょう。
ミモザは虫がつく

ミモザは一部の害虫に対して弱い場合があります。
その害虫が付いてしまうので「虫がつく」と言われがちですが、ほかの庭木でも同じことが言えますよね。
虫がつかない庭木はありませんから。
害虫が気になる場合は、定期的な植物の点検や適切な防虫対策を行うことで予防できます。
ミモザのお手入れをする上で、防虫対策は日々淡々とおこなうことが大切です。
ミモザの種類
ミモザ:ギンヨウアカシア(育てやすさ△)

日本でミモザといえば、ギンヨウアカシアです。
日本では黄色い花を咲かせるアカシアの仲間をミモザと呼ぶことが多いのですが、その中でも代表的なミモザが、このギンヨウアカシアになります。

成長が早く5〜10mまで大きくなります。
花期は3〜4月で常緑性。
花期以外の時期も銀灰色の葉色が美しく、観賞価値があるのがギンヨウアカシアです。
手間がかかるということで「植えてはいけない」と言われがちですが、ギンヨウアカシアを取り入れたお宅のオシャレな雰囲気を見てしまうと、やはり取り入れたくなってしまいます。
ミモザ:パールアカシア(育てやすさ〇)

パールアカシアの生育後の高さは3〜5m前後で、剪定により2m以下にもできます。
比較的低めの樹高で育てられるので、お庭のシンボルツリーとしてお迎えしたい方などに選ばれています。
剪定すればブッシュ状にすることも可能。
ギンヨウアカシアと比べ、成長が穏やかなのも嬉しいポイントです。

また、パールアカシアはユーカリを思わせるようなシルバーブルーの丸葉が特徴的です。
一般的なミモザと比べて葉が大きいので、ドライフラワーにしたときに葉が落ちにくく、人気が高まっている理由の1つでもあります。

さらに特徴的なのが、ギンヨウアカシアより一回り大きいお花のポンポン咲きです。
丸くかわいらしい花を咲かせるパールアカシアは、見た人をふんわりとやさしい気持ちにさせてくれます。
近づくと香りもするという、良いとこどりのパールアカシアなのです。
ミモザ:テレサ(育てやすさ◎)

ミモザを取り入れたいけどお庭が狭い、マンション住まいだからお庭がないという方にオススメしたいテレサ。
成長しても約1m前後なので管理しやすいところがポイントです。
コンパクトサイズのミモザなので、場所を選ばず取り入れて楽しむことができます。

鉢植えにしてベランダでも大丈夫!
お庭がある方も、開花時に室内から見えるエリアに移動して楽しむことができます。
ミモザの育て方の基本ポイント
適切な環境条件

ミモザは日光が大好きです。
日照不足だと花が咲きづらくなるので、植えつけの際には日当たりの良い場所を選びましょう。
また、枝が柔らかいので強風などで枝が折れてしまうことがあります。
日当たりが良く風の当たりにくいエリアを選んでください。
水やり

ミモザを植えつけてから1年前後は、土の表面が乾いてきたら水をたっぷり与えます。
1年が経過すれば、ほったらかしで大丈夫です。
しかし、長期間雨が降らない時期や乾燥が激しい時期は、意識して水まきをしましょう。
肥料

ミモザはマメ科の植物なので、ミモザの根に窒素を吸収する菌が生息しています。そのため、窒素を含む肥料は必要ありません。
開花後に、肥料を与えれば大丈夫です。
その際には、有機入り緩効性肥料を与えましょう。
病気や害虫の防止

ミモザは、イセリアカイガラムシが付きやすいです。
イセリアカイガラムシが幹につくと、樹液を吸汁し株を弱らせてしまいます。
さらに、イセリアカイガラムシの排泄物が付着した葉にカビが発生し、すす病などの被害を招くことがあります。
大量発生しやすいので、見つけた場合は薬剤散布をしましょう。
ミモザの剪定方法
ミモザは、8月以降から翌年の花芽がつき始めます。
花芽がついてから剪定をしてしまうと、翌年の花が咲きません。
そこで、剪定作業は遅くても7月までに終わらせるようにしましょう。
そして、ほとんどのみなさんが「大きくしたくない」「管理できるくらいのボリュームで!」と思われているのではないでしょうか。
そこで、コンパクトに育てられる選定方法をお伝えしますね。
芯止め

芯止めとは、木の大きさをコンパクトに留めておきたい時におこなう剪定方法です。
図のように、メインとなる幹の頂点部分をカットすることで、幹が上に成長するのを抑えることができます。
芯止めを行うことで幹が太くなるので、雨や風に弱いミモザは強くなるというメリットがあります。
透かし剪定

透かし剪定とは、木の内部の風通しを良くして成長をうながすための剪定方法のことです。
(図は、一般的な選定方法なので庭木それぞれの状況で多少の違いがあります)
下記の枝を目安におこないましょう。
・元気がない枝
・細くひょろひょろしている枝
・内側に伸びた枝
・重なっている枝
植えてはいけないミモザから、植えて楽しむミモザへ

ミモザは、決して「植えてはいけない」わけではない!という事が分かりました。
ほかの庭木と同様に、適切な管理を行えば問題ありません。
ここ数年で多様な品種が購入できるようになったミモザ。
お庭のサイズや地域の気候に合わせた選び方ができるようになっています。
定期的な点検と防虫対策を行いながら、ミモザの魅力をお庭でお楽しみくださいね。
この記事のライター
九州在住のガーデニングライター
家作りをきっかけに庭管理を始めて12年。
関わってきた時間の分だけ、
植物の声が聞こえるようになりました。
子育てと似ていて上手くいかなかったり癒されたり!
難しく考えないで、
気になった植物に寄り添ってみてくださいね☆彡