【完全版】秋~冬に赤い実を付ける庭木28種|縁起物や中低木もすべてご紹介
秋~冬に赤い実を付ける庭木を植えて、クリスマスやお正月を楽しもう!

冬はクリスマスにお正月と楽しみなイベントがある季節ですが、お庭は寂しくなりがち…。寒い季節を楽しく過ごすためにも、秋~冬に赤い実を付ける庭木を植えてみませんか?
お庭に赤い実があると、お庭を明るく彩ってくれるのはもちろん、クリスマスやお正月のお飾りにも使えて、冬の楽しみがぐんと増えますよ。
今回は、秋~冬に赤い実を付ける庭木28種を一気にご紹介します!縁起物、中高木、低木などに分けてご紹介するので、興味のある所から読んでみてくださいね。
※雌株だけが実を付ける庭木は、雄株とセットで植えると毎年赤い実を楽しめます。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
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目次
秋~冬に赤い実を付ける「縁起物(常緑低木)」の庭木6種
まずは、お正月の寄せ植えやお飾りにもよく用いられる縁起物の常緑低木を6種ご紹介します。和の雰囲気の庭木が多いですが、どれも鉢植えで育てられるので、アレンジ次第で洋風にも合わせられますよ。
ここでは○両と名前の付いた庭木が出てきますが、江戸時代の1両は現代の8万円くらい。お金持ちになれそうな庭木がそろっていますよ。
マンリョウ(万両)

秋~冬に大きな赤い実をたくさん付け、見た目が豪華なことからマンリョウと名付けられた庭木。茂った葉の下に、実が垂れ下がるように付くのが特徴で、お正月の寄せ植えに使うととっても華やかです。白い実を付ける品種もあるので、写真のように一緒に植えるとおめでたい雰囲気になりますね。
日陰が好きで寒さが少し苦手。地植えして大きく育つと少し不格好になるので、鉢植えで育てる方がバランスのよい姿を長く楽しめます。
センリョウ(千両、クササンゴ)

センリョウは、マンリョウよりも実付きがまばらなことが名前の由来と言われています。広げた葉の上に赤い実がまとまって付くので、リースや切り花にも使いやすいです。
マンリョウ同様、寒さが少し苦手で日陰が好きなので、日当たりが悪い場所で大活躍してくれます。古い枝には花や実が付かなくなるので、早春に太い枝を地面の近くで切っておくと、毎年きれいな実が楽しめます。
カラタチバナ(百両、百両金)

○両シリーズの中で最初に百両の名前が付いたと言われるカラタチバナ。江戸時代に斑入りのカラタチバナが百両単位の値段で取引されたことが名前の由来とされています。現在でも様々な品種があるので、いくつかの品種を組み合わせてお正月の寄せ植えを作ると楽しいですよ。
カラタチバナも寒さが少し苦手で日陰が好き。成長がとても遅いので、ほぼノーメンテです。
ヤブコウジ(十両)

赤い実の美しさが金十両に値すると言われたヤブコウジ。葉の下で控えめにまとまって実を付ける様子が、昔から日本人の心をくすぐってきたのかもしれません。
お正月の鉢植えや寄せ植えだけでなく、日陰を彩るグランドカバーとして育てることもでき、色々な楽しみ方ができるのも魅力です。
ヤブコウジも寒さが少し苦手で日陰に強い庭木です。
アリドオシ(一両)

鋭いとげを持つアリドオシ。名前の由来は、このトゲが「蟻をも突き通す」という説や、実を鑑賞できる期間が長く「有り通し」から付けられたという説などがあります。カラタチバナやヤブコウジよりも実が少ないことから「一両」とも呼ばれますが、「千両、万両、有り通し」と3つセットで植えるとお金に困らないというゲン担ぎになるそうですよ。
アリドオシも日陰に強く寒さが少し苦手です。剪定などのお手入れは特に必要ありませんが、トゲがあるので、切りたい枝がある時はゴム手袋をして作業すると安全ですよ。
ナンテン

「難を転ずる」として縁起がよいと言われるナンテンは、お正月の寄せ植えやお飾りの定番。赤い実と緑の葉とのコントラストも素敵ですが、日当たりのよい場所で霜に当たると紅葉し、木全体が真っ赤になるのもとってもきれい。寒さに強いので、雪国では赤い実と白い雪のコントラストも楽しめますよ。
乾燥に弱く、寒風が吹きつけるような場所では厳冬期に落葉することもありますが、春にはまた葉が出てきます。
秋~冬に赤い実を付ける「常緑低木」の庭木6種
常緑樹は冬に赤い実と緑の葉のクリスマスカラーを楽しめるのが嬉しいポイント。ここでは、小さなお庭や鉢植えでも育てやすい低木の庭木をご紹介します。
コトネアスター

小ぶりな葉に小ぶりな実を付けるかわいい庭木。品種が多く、立性・つる性・秋に紅葉する・葉や実が大きい…など、好みや植えたい場所に合わせて選ぶことができます。鉢植えやグランドカバー、花壇のアクセントなど幅広い楽しみ方ができますよ。
暑さ寒さに強く、あまり大きくならない品種が多いため、ローメンテで毎年赤い実が楽しめるのが嬉しい庭木です。
チャイニーズホーリー(ヒイラギモチ)・クリスマスホーリー(西洋ヒイラギ)

チャイニーズホーリーとクリスマスホーリーは厳密にいえば違う植物ですが、どちらもクリスマスホーリーとして流通していることもある、よく似た庭木です。どちらも秋~冬に赤い実を付け、葉のギザギザがトゲのように鋭いのが特徴。クリスマスの寄せ植えやリースに使うほか、葉のトゲを活かして低めの生垣にすることもできますよ。
寒さに強く、暑さは少し苦手。風通しの良い場所に植えると病虫害が発生しにくいです。
ハクサンボク【暖地向き】

枝先に小ぶりな赤い実がまとまって付く様子がかわいらしいハクサンボク。常緑樹ですが、秋には紅葉して木全体が赤く染まります。春に咲く白い花もきれいで、四季を楽しめるお庭のアクセントになりますよ。実や花の時期に切り花として楽しむのもおすすめです。
風通しの良い場所に植え、枝が込み合ってきたら透かし剪定をすると、病虫害が発生しにくいです。
キャラボクの雌株

ベルのような形をした明るい赤色の実と細い葉が、クリスマスの雰囲気にぴったりなキャラボク。低い生垣やお庭のアクセントとして用いられることが多い庭木です。種に毒があるので、口に入れないように注意してください。葉が黄色の品種もありますよ。
寒冷地では冬に葉が茶色くなることがあります。樹形が乱れやすいので、年1~2回刈り込みや剪定をしておくと良いですよ。キャラボクの名前の由来は、枝から伽羅のようなよい香りがするから。お手入れしながら香りも楽しめます。
アオキの雌株

アオキの名前の由来は、葉も茎も一年中青々としているから。秋~冬にはつやつやで楕円形の赤い実を付けます。斑入りの品種が多く、日陰が大好きな庭木なので、日当たりの良くない場所にも明るく彩りを添えてくれますよ。クリスマスやお正月に、リースや実付きの枝として楽しむのもおすすめです。
丈夫で育てやすい庭木ですが樹形が乱れやすいので、時々切り戻し剪定をすると良いでしょう。
ピラカンサ

秋になると葉が見えなくなるくらいびっしりと赤い実を付けるピラカンサ。秋~冬にピラカンサほどたくさんの実を付ける庭木はあまりないので、とっても目を引きます。春に咲く白い花もきれいで、四季を感じられて見ごたえのある、すてきなお庭のアクセントになりますよ。
鋭いトゲがあるので、剪定をする時は皮手袋などの厚手の手袋をして作業することをおすすめします。
秋~冬に赤い実を付ける「落葉低木」の庭木5種
葉を落とした後もしばらくは赤い実が残ることが多く、寂しくなりがちな冬のお庭のアクセントになってくれる庭木たち。こちらも小さなお庭や鉢植えでも育てやすい低木をご紹介します。
オトコヨウゾメ(コネソ)

オトコヨウゾメは小さなサクランボのような実を付けます。果実は生食すると苦いですが、果実酒にするとおいしいそうですよ。
秋に葉が黒紫色に紅葉するので、黒い葉が実の赤色を引き立てて風情ある姿になります。お庭のアクセントにちょっと変わった庭木を取り入れたいという方におすすめです。
風通しの良い場所に植え、枝が込み合ってきたら、長く伸びた枝を元から切って透かし剪定を行うと病虫害を防げます。
ガマズミ

枝先につやのある赤い実がたわわに実り、見ごたえ満点のガマズミ。この実が熟すと甘酸っぱく、生食はもちろんジャムや果実酒にも加工できます。春に咲く花もきれいで、お庭や玄関先のアクセント、小さなシンボルツリー、雑木の庭の引き立て役など様々な楽しみ方ができる庭木です。
日当たりと風通しの良い場所に植えるとほぼノーメンテで楽しめます。
セイヨウカマツカ(アロニア、チョークベリー)

繊細な枝葉の所々にいくつかまとまって実を付けるセイヨウカマツカ。秋には葉が赤く紅葉し、木全体が真っ赤になります。初夏に咲く白い小花もかわいらしく、四季を感じられる庭木です。成長がゆっくりで、鉢植えや盆栽としても人気があります。雑木のお庭に植えるとすてきなアクセントになりますよ。
丈夫で育てやすい、ローメンテな庭木です。
ウメモドキの雌木

秋の初めから真冬まで長い期間、つやつやの赤い実を楽しめるウメモドキ。梅の仲間ではありませんが、樹形や葉の形が梅に似ていることから名付けられました。全体的に小ぶりな印象ですが、実付きがいいので見ごたえがありますよ。雑木のお庭や玄関先のアクセントにおすすめの庭木です。
風通しが良く午前中だけ日が当たるような場所で育てると、ほぼノーメンテで楽しめます。
クコ

クコは杏仁豆腐の上に乗っている赤い実。中国では昔から不老長寿の薬とされています。収穫した実は2週間ほど天日干しすると食べられますよ。夏には紫色のかわいい花、秋~冬にはつやつやの赤い実を楽しむことができる庭木です。
日当たりと風通しの良い場所に植えると病虫害が付きにくいです。樹形が乱れやすいので、数年に1度落葉期に剪定を行いましょう。トゲがあるので手袋をして作業すると安全です。
秋~冬に赤い実を付ける「常緑中高木」の庭木7種
冬に赤い実と緑の葉のクリスマスカラーを楽しめる常緑中高木は、クリスマスツリーの代わりにもなってくれそうな存在です。暖地向けの庭木が多いので、暖かい地方にお住まいの方はぜひお庭に植えてみてくださいね。
ソヨゴの雌木

シンボルツリーとして大人気のソヨゴは、秋~冬に小さいサクランボのようなかわいらしい実を付けます。明るい緑の葉と赤い実で、冬のお庭も明るい雰囲気になりますよ。
名前の由来は、葉が風に吹かれるとそよそよと揺れ、しゃらしゃらと爽やかな音が聞こえるから。
成長がゆっくりなので、ローメンテで扱いやすい庭木です。
ナナミノキの雌木【暖地向き】

ナナミノキは明るい緑色のつやつやした葉と鮮やかな赤い実のコントラストが素敵で、冬のお庭を明るく彩ってくれます。比較的大きくなる庭木なので、広めのお庭のシンボルツリーや目隠しにおすすめです。
暖かく、日当たりと風通しの良い場所が適しています。高さを抑えたい場合は花後に剪定や刈り込みを行いますが、あまり強く刈り込むと実付きが悪くなってしまいます。
イチイ

ベルのような赤い実と細い葉がキャラボクによく似ていますが、キャラボクよりも大きく育ちます。寒さに強く、冬の寒冷地でも葉の色が変わりません。イチイに雪が積もるとホワイトクリスマスの雰囲気を味わえますよ。キャラボク同様、種には毒があるので注意してください。
カイガラムシが付くことがあるので、見つけたら早めにヘラなどで取り除きましょう。
サンゴジュ【暖地向き】

夏から冬まで、長い期間赤い実を楽しめるサンゴジュ。名前の由来は、赤い実がまとまって垂れ下がっている様子がサンゴのように見えるから。筆者はブドウみたいだと思っていますが…。
葉が厚いので防火樹として使われることもある庭木です。生垣や目隠しにおすすめですよ。
明るく風通しの良い場所に植えて年1~2回透かし剪定や刈り込みを行うと、病虫害予防になります。
モチノキの雌木【暖地向き】

暖地の工場や街路樹でおなじみのモチノキは、オレンジに近い優しい色の実を付けます。派手さはないけれどさりげない彩りを添えてくれる庭木で、どんな雰囲気のお庭にも合わせやすいですよ。生垣や目隠しにおすすめの庭木です。
潮風に強いとされていますが、植栽された木は塩害で傷むことが多いです。風通しが良い場所に植え、2年に1度くらい透かし剪定をすると病虫害を防げます。
モッコク【暖地向き】

モッコクは秋に朱色の真ん丸な実を付け、その実が熟すと中から赤い種が出てきます。葉っぱはつやのある濃い緑色で、朱色の実とのコントラストがとってもきれい。モチノキと共に「庭木三名木」の一つとされています。広めの和風庭園の目隠しやシンボルツリーにおすすめのかっこいい庭木です。
カイガラムシが発生しやすいのですが、風通しの良い場所に植え、年1回ほど透かし剪定をすると予防できます。カイガラムシを見つけたら早めにヘラなどで取り除きましょう。
クロガネモチの雌木【暖地向き】

大きめな濃い緑色の葉が、つやつやの赤い実を引き立てるクロガネモチ。秋~冬の終わりくらいまで長い期間実を楽しむことができます。全体的に濃いめの色合いでシックな印象があり、大きめのお庭の生垣や目隠しにおすすめです。
風通しと日当たりのよい場所に植えると、病虫害予防になり実付きも良いです。1年に1回程度剪定や刈り込みをしておくと、大きさを抑えることができますよ。
秋~冬に赤い実を付ける「落葉中高木」の庭木4種
葉が落ちても赤い実で楽しませてくれる落葉中高木。こちらは寒冷地でも育てられる庭木が多いです。雪国では、赤い実と白い雪のコントラストも美しいですよ。
ハナミズキ

初夏に咲く白やピンクの花でおなじみのハナミズキ。秋~冬の実はあまり注目されませんが、楕円形のつやつやとした赤い実がいくつかまとまって、葉の上に乗っているような姿がかわいいです。
うどんこ病やアメリカシロヒトリなどの病虫害が発生しやすいです。見つけたら早めにベニカXファインスプレーなどの殺菌殺虫剤で対処しましょう。
サンシュユ(ハルコガネバナ、アキサンゴ)

つやつやとした楕円形の赤い実を枝から垂らすようにつけるサンシュユ。見るからにおいしそうな実は生食だけでなく、果実酒やジャムでも楽しむことができます。葉が落ちた後も枝に実が残り、春は葉が出る前に花が咲くので、冬の寂しい期間が少ないですよ。四季を感じられるシンボルツリーにおすすめの庭木です。
大きくなるので、毎年落葉期に剪定をしておくとよいでしょう。
アオハダの雌木 ※雌雄不明な苗木が多い

まん丸の赤い実を枝に沿うようにつけるアオハダ。秋には黄葉するので、赤い実と黄色い葉のとってもカラフルな姿になります。残念ながら雌雄が分からない苗木が多いのですが、もし雌の苗木に出会えたら運命と思って、ぜひお庭のシンボルツリーにしたい庭木です。すっと立ち上がったしなやかな樹形で、洋風のお庭によく合いますよ。
乾燥に弱いので、西日が当たらない場所に植えましょう。
ナナカマド【寒冷地向き】

ナナカマドは実を楽しめる期間が長く、紅葉前には緑の葉と赤い実のコントラスト、紅葉すると赤い実と葉で木全体が真っ赤に染まり、冬には白い雪と赤い実のコントラストを楽しませてくれます。初夏に咲く花もきれいで、一年を通して楽しめるのでシンボルツリーにおすすめです。
日当たりの良い場所に植えると実付きがいいです。大きくなるので、1~2年に1度、切り戻し剪定をしておきましょう。
さいごに

秋~冬に赤い実を付ける庭木、意外とたくさんありましたね。植えてみたい庭木は見つかりましたか?
地域や年によって実の量には差がありますし、強風で落ちたり鳥に食べられたりして、赤い実を長く楽しめない年もあると思います。でも、お庭で色づいた実を眺めたり、お部屋に飾ったり、遊びに来てくれた小鳥を眺めたりする時間はとっても楽しいですよ。
ぜひ秋~冬に赤い実がなる庭木を取り入れて、寂しくなりがちな季節のお庭を彩りましょう。
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この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。