【1年中楽しめる!】四季を感じられる庭木7選
庭木1本でも四季を感じられるお庭づくり

皆さんは庭木を選ぶとき、何を基準に選んでいますか?
「花が咲く」「実がなる」「紅葉する」「樹皮がきれい」「冬でも何かしら見どころがある」「ローメンテ」…など色々あると思いますが、今挙げた項目のほとんどに当てはまる優秀な庭木がお庭にあったら素敵ですよね。
そこで今回は、1年を通して楽しめる庭木を7種ご紹介します。小さなお庭でも1本植えれば、四季を感じられる素敵なお庭になりますよ。
この記事は、お忙しい方のために目次の見出しを追うだけでも内容を理解できるようにしています。
詳しく知りたい方は、このまま読み進めていただくか気になる小見出しをクリックしてみてください。
目次
四季を感じる庭木「アオダモ」(落葉中木)

春先、気温が上がってくると黄緑色のかわいい新芽をふわっと広げるアオダモ。
梅雨前になると小さく繊細な白い花を咲かせます。花は近くでじっくり観察するのも楽しいし、遠くから見ると葉の上に雪がのっているように見えて素敵。家の中からもお庭に出ても、違う楽しみ方ができる花ですよ。
夏には明るい緑色の葉をたくさん広げて優しい日陰を造ってくれます。しなやかに広がった枝が風に揺れて、お庭が爽やかなリゾートのような雰囲気になりますよ。

秋には環境によっては紅葉が楽しめますが、葉焼けしやすいのであまりきれいな紅葉は期待できないと思います。
しかしアオダモの楽しみは冬にもあります。それはアオダモの繊細な樹形と、幹の特徴的なまだら模様を堪能すること。葉が無くてもおしゃれなアオダモは、冬でも私たちの目を楽しませてくれますよ。
アオダモは木製バットの材料に使われる木なので、野球が好きな方に特におすすめ。切った枝を水に漬けると、水が薄い青色になることが名前の由来です。
成長が遅く、ローメンテなのも嬉しい庭木です。
四季を感じる庭木「サルスベリ(百日紅)」(落葉中木)

サルスベリは春になると赤っぽい新芽を出し、春の訪れを教えてくれます。春~初夏に伸びる新しい茎も赤く、花が咲く前から彩りを添えてくれますよ。
梅雨が明けるころからは、花火のようなポップな花を枝いっぱいに咲かせます。百日紅の名前の通り花期が長く、初秋まで花を咲かせてくれるので、花が少なくなる夏~秋に嬉しい庭木ですね。筆者が住んでいる北東北は涼しいので100日も咲きませんが、関東以南では100日以上咲いている場所もありますよ。

秋になると藍色の実を付けます。サルスベリも葉焼けしやすくきれいな紅葉を見るのが難しいですが、寒冷地では葉焼けしにくいので、花期が短い代わりに紅葉が期待できますよ。
冬になり葉を落とすと寂しくなりますが、サルスベリは写真のようにつるつるとした独特の幹で、冬も楽しませてくれます。
花色はピンクや白、薄紫などがあり、樹高が低いものや矮性のもの、葉が黒いものなど様々な品種があるので、好みや環境に合わせて選べるのも嬉しいですね。
アブラムシやうどん粉病が付きやすいので、風通しの良い場所に植え、病虫害を見つけたら早めに対応しましょう。
四季を感じる庭木「ニシキギ(カミソリノキ)」(落葉低木)

世界三大紅葉木の一つとされるニシキギですが、その魅力は紅葉だけではありません。
まず初夏に、クリーム色の小さくてかわいい花を咲かせます。目立つ花ではありませんが、お庭にあればその可愛さにきゅんとしますよ。
夏には明るい緑色の小さな葉をたくさん広げ、こんもりとした姿を楽しめます。
そして秋。紅葉の前からオレンジ色の小さな実を楽しむことができます。この実には毒があるので、むやみに触ったり口に入れたりせず、目で見て楽しんでくださいね。

秋が深まったらいよいよ紅葉の季節。ニシキギは漢字で「錦木」と書き、その名の通り錦色の真っ赤な紅葉を楽しむことができます。
葉焼けしてしまうときれいに紅葉しませんが、葉が落ちた後も残るかわいい実は冬まで長く楽しむことができます。紅葉を楽しみたい場合は西日の当たらない場所に植えるか、鉢植えで育ててみるのもおすすめです。
ニシキギの枝には上の写真のように「翼(よく)」という、コルク質の四角い羽根のようなものが付くのも特徴で、とても個性的な庭木です。冬はこの独特の枝を存分に楽しんでくださいね。
四季を感じる庭木「ツリバナ」(落葉中木)

ツリバナは、春~初夏に小さなクリーム色の花を枝から吊り下げて咲かせます。これが名前の由来で、花はあまり目立ちませんが、よく見るととってもかわいいですよ。
夏には小さな葉をたくさんつけたしなやかな枝が風に揺られて、爽やかな姿を見せてくれます。

秋になると、葉が色づき始める前から赤い実を枝から吊り下げます。くす玉が開くように中から赤い実が出てきて、お花のような形のかわいい実ですよ。
ニシキギ同様実には毒があるので、口に入れたりせずに目で見て楽しんでくださいね。
緑の葉と赤い実のコントラストを楽しんだ後は葉が紅葉し、木全体が赤くなります。ニシキギの仲間なのできれいな紅葉を期待したいのですが、ツリバナも葉焼けしやすいです。
もし紅葉が残念だったとしても、かわいい実は冬まで長く楽しむことができますよ。雪が降る地域では赤い実と雪のコントラストも楽しめるかもしれません。
四季を感じる庭木「ナンテン」(常葉低木)

「難を転ずる」縁起物として有名なナンテン。春には赤い新芽を出します。新芽の赤、新芽から開いたばかりの黄緑色の葉、前年からの濃い緑の葉とカラフルな姿を楽しむことができますよ。
夏になると白い小花をふんわりと咲かせます。しなやかな枝と一緒に白い花が風に揺れて、暑さを忘れさせてくれる爽やかな姿になりますよ。
秋になると、赤く丸い実をたわわに実らせ、赤い実と濃い緑色の葉とのコントラストが素敵です。

常緑樹ですが、日当たりの良い場所で霜に当たると紅葉し、木全体が真っ赤になります。
実は冬まで残るので、青い空に映える赤い実を長く楽しめます。雪国では赤い実と白い雪のコントラストが楽しみですね。
寒風が吹きつけるような場所では落葉することもありますが、乾燥させなければまた春に芽吹きますよ。
リースやお飾りなどの装飾にも使えて、四季を感じ満喫できる庭木です。
ナンテンは木全体に毒があります。適量が生薬として使用されることもありますが、家で試すのはやめましょう。
乾燥に弱いので水切れに注意してくださいね。
四季を感じる庭木「ソヨゴ」(常葉中木、暖地向き)

そよそよ風に吹かれると、葉がこすれて「しゃらしゃら」と爽やかな音がすることが名前の由来となっているソヨゴ。
春になると黄緑色の新芽をふわっと広げます。この時期は古くなった葉が黄色くなって落葉する時期でもあり、黄緑色の新芽と前年から残っている濃い緑の葉、落葉前の黄色い葉の3色が、梅雨の頃まで楽しめます。
初夏には小さくてかわいい白花を咲かせてくれます。雄木は花がたくさん。雌木は控えめにぽつぽつと咲かせます。
夏は風鈴代わりにソヨゴの音を楽しみましょう。きっと涼しい気分になるはずです。

雄木と雌木を一緒に植えていると、秋には雌木に赤い実が付きます。花を楽しむ雄木と実を楽しむ雌木を一緒に植えると、より四季を感じられるお庭になること間違いなしですよ。
常緑樹なので、冬でも緑色の葉を楽しむことができます。12月末まで実が残っていれば、クリスマスツリーとしても楽しめそうですね。
寒さに弱いので暖地向きの庭木です。
成長がゆっくりで育てやすいですよ。
四季を感じる庭木「ナナカマド」(落葉高木、寒冷地向き)

寒冷地の定番であるナナカマド。春先に赤みをおびた新芽が顔を出し、その葉がふわっと広がると、やっと春が来たなーと実感します。
初夏には梅に似た小さな白花を枝がしなるくらいたくさん咲かせます。遠くから見ると葉に雪が乗っている様にも見えますよ。
夏には葉をたくさん広げて優しい木陰を作ってくれます。風に揺れるしなやかな葉も爽やかで、お庭が高原のような雰囲気に。

秋の始めには赤い実をたわわに実らせ、晩秋には葉も赤く紅葉し、木全体が真っ赤に染まります。
落葉後も赤い実は長く残るので、冬には雪と真っ赤な実のコントラストが楽しめます。実をクリスマスやお正月のお飾りに使うのも楽しいですよ。
できれば広い場所を用意してあげると、のびのび育てられます。
季節ごとに違う色を見せてくれ、存分に四季を感じられるナナカマドですが、暑さに弱いので寒冷地向きの庭木です。
さいごに

いかがでしたか?日本は四季がはっきりしている国なので、私はお庭で四季を感じられたら素敵だなと思いながらお庭づくりを楽しんでいます。
今回は比較的ローメンテな庭木をご紹介したので、お庭に1本植えておくだけで、あまり手をかけずにゆったりと四季を感じられるお庭になると思いますよ。
ちなみに筆者のお気に入りはナンテンです。今回ご紹介した中でもダントツにローメンテで、四季の変化が楽しくて縁起もいいので最高です。
皆さんもお気に入りの1本を見つけてくださいね。
この記事のライター
樹木医で、千葉県臨海地域での樹木管理経験を持つライターです。
現在は自然豊かな雪国で暮らしています。
個性豊かな植物たちを育てること、眺めることが楽しい!幸せ!癒される…
そんな気持ちが沢山の方に伝わったら嬉しいなと思っています。